石橋美術館、石橋財団が運営撤退 16年9月末 [福岡県]
久留米市は28日、市が所有する石橋美術館(野中町)を管理運営する「石橋財団」(東京、石橋寛理事長)への運営委託を2016年9月末で解消すると発表した。運営からの撤退は財団側からの申し出で、12年4月に財団法人から公益財団法人に移行したことに伴う事業再編の一環。その後の運営態勢は未定で、市民の美術拠点の行方が注目される。
石橋美術館は、ブリヂストンの創業者石橋正二郎が1956年に創設後、市に寄贈。77年からは、正二郎の美術コレクションを所有する財団に施設を無償で貸与する形を取ってきた。財団は同市出身の青木繁や坂本繁二郎など、主に日本近代洋画や日本書画を収蔵。展示の目玉になっていた。
財団常務理事の西嶋大二館長は「(公益財団法人化で)より公益性が求められるようになり、ある特定のところに未来永劫(えいごう)というわけにはいかない」と説明。一方で「当分、展覧会や絵画の貸し出しなど側面支援は続ける」と述べた。
市は今後、市直轄か指定管理者を置くかなど運営方法を協議するが、楢原利則市長は「今後も財団の支援をいただきながら、心豊かな市民生活と広域的な求心力の要の一つとなるよう努力していく」と話した。
=2014/05/29付 西日本新聞朝刊=