【プロ直伝】冷めてもおいしい!お米の炊き方
2014年05月29日更新
あなたはちゃんとしたお米の炊き方を知っていますか?
おそらく、家庭で教えてもらった炊き方でお米を炊いている人が大半だと思います。たしかに自己流の炊き方でもお米は炊けますが、ちゃんとした手順に従えば、炊きたてはもちろん冷めてもおいしいごはんにできます。
冷めても美味しいごはんが炊ければ、お弁当やおにぎり等のクオリティがあがり、自炊派には嬉しいですよね。
そこで今回は五ッ星お米マイスター・舩久保正明さんから教えてもらった「お米の炊き方」について紹介します!
目次
- 1:米の選び方
- 2:米の保存方法
- 3:米を炊くための準備
- 4:米を炊く方法(3合炊きの場合)
- 5:ご飯の保存について
- 6:注意点
1:お米の選び方
自分の好みを知る
どんなお米を美味しく感じるのか?という点は、みんなそれぞれ違います。炊き方ももちろん大事ですが、それよりもまず「自分の好みのお米に出会えるか」ということが、おいしいお米を炊くための第一歩です。
そこで、おいしいお米の炊き方を知る前に、自分の好みを把握することからはじめましょう。まずは、下記の観点から自分の好みを考えてみてください。
- 粘りの強さ
- お米の硬さ
- 弾力の強さ
- 甘みの強さ
信頼できるお米販売店を探す
お米販売店といっても、そのレベルは様々です。たとえ五ッ星マイスター(※)がいるお店であっても、マイスターごとにこだわりや好みは違います。そのため、自分が信頼できると思えるお米販売店を見つけるのが一番の近道です。
以下の項目を基準に、信頼のできるお米販売店を探してみてください。
- 直射日光を避けてお米が置かれている
- 炊飯頻度や家族構成、好みなどを考えてオススメのお米を提案してくれる
次からは、おいしいご飯を炊くための実践方法をご紹介します。
2:お米の保存方法
保存場所
お米はとてもデリケートな食材。おもに以下のような影響を受けやすい性質を持っています。
- 温度差
- 湿度
- ニオイ
- 直射日光
そのため、袋のまま室内に置いておくと風味が劣化することがあります。保管場所は温度の変化が少なく、かつ結露がおきないところを選ぶようにしてください。
保存容器
お米の品質を劣化させないためには、できるだけ空気に触れさせないことが大切です。一般的に売られているお米の袋には小さな空気穴が開けられているため、購入時の袋に入れたままではお米が空気に触れてしまい、酸化してしまいます。
お米の保管に一番適している場所は野菜室(ない場合は冷蔵庫でも可)です。ただし、購入時の袋のまま野菜室や冷蔵庫に入れるのはNG。お米が匂いの影響を受けたり、野菜の汁等を吸ってしまうことがあります。
お米を保存するときは、以下の手順で進めるようにしましょう。
- 1.チャックのついた袋かポリ袋にお米を入れる
- 2.袋の中の空気を抜きながら口をしっかり閉じる
- 3.冷蔵庫に入れるか又は、発泡スチロールなどの箱に袋ごと入れ、温度差が少ない・日光が当たらない場所に保管する
瓶やペットボトル、タッパーでの保存は、内容量が減るにつれて容器内の空気が増えるのでオススメできません。
また、冷蔵庫に入れたお米は使いきるまで外に出さないようにしましょう。冷蔵庫の中と外の温度差により結露が発生してしまいます。
3:お米を炊くための準備
器具を選ぼう!
お米を炊く量は、炊飯器の釜のサイズに対して6~8割がベスト。つまり、5.5合釜なら3~4合、3合釜なら2合程度を目安にするとおいしく炊けます。
釜に対して10割の量で炊くと、炊飯器の蓋とお米の間にある空間が狭くなります。そのため、お米から溶けだした旨味成分が釜内のお米に行き渡りにくくなってしまうのです。さらに、釜の底の方にあるお米が重みによって潰れることも。
一方で釜に対して半分以下しか炊かないことも、お米の炊飯には良くありません。お米を炊く際に入れる水の量が少ないので、短時間で内部の水が沸騰します。すると、お米に充分な熱が伝わらないまま炊きあがってしまうのです。
4:お米を炊く方法(3合炊きの場合)
STEP1:お米の量を量る
1合カップ(180cc)をすりきりで一杯ずつ、しっかりと量ってください。
お米1合の重量は約150グラムです。より正確さを求めるなら、はかりを使って計量するといいでしょう。
STEP2:計量したお米をザルに入れ、手早く優しく研ぐ
ザルに計量したお米を入れます。次に、水を張ったボウルにザルを入れ、手早く優しくお米を泳がせるように手をまわし、さっと水からあげます。
ボウルの水を入れ替えたら、再度ザルを入れてください。米粒を泳がすように手をザルの中で数回まわしたら、水からザルをあげて再びボウルの水を入れ替えます。これを2、3回繰り返しましょう。
とぎ汁が透明になるまで繰り返す必要はありません。また、お米を研ぐときは、手のひらで押しつぶすようにするべき…というイメージを持っている人は多いと思います。しかし、実はこの方法はNG!
かつて精米の技術が発達していなかった時代にはぬかがお米に付着していたため、力強く研ぐ必要がありました。しかし、お米の精米技術が発達した現代では、そのような作業は不要です。むしろ、研ぎすぎるとお米からでんぷんが溶け出してしまいます。
お米を研ぐ際には、あくまで優しく、研ぎ過ぎないように注意してください。
STEP3:水を切る
研ぎ終わったら、お米を水からあげます。ザルを軽く傾けて水を切り、3分~5分ほど置きます。
ただし、水切り中のお米を5分以上放置するのはNGです。空気に触れている外側のお米が乾き、ヒビが入ってしまいます。水を吸ったお米はもろくなるので、丁寧に扱いましょう。
STEP4:水量を量る
水の量は下記を目安にしてください。
- 収穫から3ヶ月以内のお米(新米※)1合の場合……180cc~220cc
- その他1合の場合……200cc~220cc
炊飯器の内釜にある線の位置はメーカーにより違います。なぜなら、各社がオススメの水量、つまり内側の線の位置を決めているためです。あくまで“ひとつの目安”程度ととらえるようにしましょう。
また、お米の品種や好みによって適した水量は変わります。上記の水量で炊いても好みの食感でない可能性もあります。その場合は水量を調整してください。
STEP5:吸水させる
「吸水」とは、釜のなかにお米と水を入れて時間を置くことです。冷めても美味しいご飯にさせるには、この吸水作業が欠かせません。
お米は最低2時間(※コシヒカリの場合)水を吸わせましょう。可能なら一晩寝かせておいてください。時間のない人は吸水の早い品種のお米を選ぶようにしましょう。
吸水に最適な水の温度は5度。ぬるい水にお米を浸しているとでんぷんが溶け出し、炊きあがったご飯が水っぽくなってしまいます。吸水には冷蔵庫で冷やした水を使っても良いのですが、内釜ごと冷蔵庫に入れた方が一定の水温を保てるのでオススメです。その際は必ず、内釜にラップをしてから入れるようにしましょう。
■■吸水させたほうが美味しいご飯になる理由
お米を水に浸すことで、お米の内部まで水分を行き渡らせることができます。
お米の粒は、やせ細ったものや欠けたもの、ふっくらとしたものなど、様々な形をしています。形によっても違いが生まれますが、選別されたふっくらとした粒のお米ほど、内部まで充分に水を吸わせる必要があります。
その理由は、吸水が不十分なまま炊きあげるとお米が冷めた時に固くなったり、ポロポロになりやすかったりしてしまうため。つまり、炊きあがりをふっくらとさせるためだけでなく、冷めても美味しいご飯にするためにも、吸水作業は必要不可欠なのです。
STEP6:炊飯
じゅうぶんに吸水されたお米を炊く際には、タイマー炊きではなく高速炊飯(お急ぎ)機能を使って炊きましょう。
多くの炊飯器はマイコン(マイクロコンピューター)により炊き方を調整されています。タイマー炊き機能を使うと、マイコンによりお米に水を吸わせる工程をはさむものがほとんどです。なかにはこの工程でお米のでんぷんを水に溶かしてしまうことも。そのため、しっかりとした粒感のあるご飯に炊きあがりません。
一方、高速炊飯ではマイコンによる吸水作業がおこなわれません。つまり、お米のでんぷんを水に溶かすことなくお米を炊きあげられるのです。
STEP7:蒸らし(1度目)※高速炊飯で炊いた場合
高速炊飯の場合は炊飯器が炊きあがりを知らせてもすぐに蓋を開けず、5分ほど置いてお米を蒸らしましょう。
STEP8:飯切り
蒸らし終わったら炊飯器の蓋を開け、釜の縁に添わせてしゃもじを一周させ、お米を釜から剥がします。
お米を十字に切り4等分させ、1区間ごとに底からお米をすくい上げて上下をひっくり返します。ひっくり返した後でしゃもじのふちを使い、お米を切るようにさっくりとほぐしましょう。ご飯の粒と粒の間に隙間があるくらいがベストです。
■■飯切りをしたほうが美味しい
飯切りの目的は、おもに3つあります。
- 釜上部、中間部、下部それぞれ熱の入り方のムラを均一にさせるため
- 余計な水分を飛ばすため
- 下部にあるお米を上部のお米の重みで潰さないため
STEP9:蒸らし(2度目)
飯切りを終えたら、再度炊飯器の蓋を閉めて5分間蒸らします。
ただし、蒸らし時間が長すぎるとお米が水っぽくなってしまうので気をつけましょう。
STEP10:完成
ご飯を5分ほど蒸らしたら完成です。
ご飯を食器によそうときは、しゃもじをひっくり返すのではなく、スライドさせて滑らすように容器の中へ移してください。
5:ご飯の保存について
保存方法は、ご飯を食べるタイミングによって変えてください。
- 約2時間以内……炊飯器の保温状態でOK
- 2時間以降~2日以内……冷蔵庫で保存し、食べる直前にレンジで加熱
- 2日以降……冷凍庫で保存(※)し、食べる直前にレンジで加熱
ジャーの保存温度は、JIS規格により72度~74度と定められています。これは大腸菌の繁殖を防ぐためであり、ご飯を美味しく食べるための温度ではありません。
保温状態のご飯は2~4時間で老化し始めます。ツヤがなくなるばかりか、硬くなってしまうので注意してください。
保存の方法
炊きたてのご飯をラップにとり、2cmほどの高さに整えます。この際、粒を潰さないようふっくらと形作りましょう。
冷蔵保存の場合はラップに包んだご飯を金属バットの上に並べて粗熱をとって冷蔵庫へ。冷凍保存の場合は、乾燥を防ぐためラップに包んだご飯をフリーズバックの中に入れてから金属バットに並べ、粗熱をとってから冷凍庫へ入れましょう。
解凍方法
冷蔵保存したご飯、冷凍保存したご飯、どちらの場合も食べる直前にレンジで加熱してください。
柔らかめのご飯を好む方は、加熱前に少量の水か純米酒をふりかけるのがオススメです。解凍後は、ご飯を軽くほぐしてから器に入れるとふっくらします。
6:注意点
お米の種類は、「うるち米」だけでも500種を超えます。もちろんすべての種類が同じ性質を持っているわけではありません。吸水率の高いものや低いもの、粘土の強いもの弱いもの…種類によってそれぞれ適した炊き方があります。
炊飯器の種類によってもお米の炊きあがり具合は変化します。
ここで紹介したのはあくまで基本の炊き方。どうしても「美味しく炊けない」と感じた場合は、お米の販売店へ行き、相談してみましょう。
今回お話を伺ったのはこの方!
お米のふなくぼ・舩久保正明さん
「もう一箸食べたくなるご飯」をキーワードにお米の販売を続ける「お米のふなくぼ」。お店で取り扱うお米は、舩久保さん自身が試食し、良いと思ったものしか取り扱わない。東京駅には、姉妹店「おむすび結庵」も。旅のお供に、仕事の合間に、おいしいおむすびはいかが?
(image by nanapi編集部)
(image by ふなくぼ商店)
本記事は、2014年05月29日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。










