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細谷功の逃げるか、残るか、老化企業での身の処し方 日経コンピュータ

第4回 思考停止も不可逆変化、老化を加速

2014/05/29
細谷 功=ビジネスコンサルタント (筆者執筆記事一覧

 前回まで「会社の老化」のメカニズムの二つのキーワード、「組織の不可逆性」と「資産のジレンマ」について説明しましたが、今回はこれらを個人の思考回路と紐づけて考えていきます。

 「水は低きに流れる」という言葉があります。水の流れも自然にしていれば、低い方へ流れて行き、特にそこに外からの力が加わらない限り勝手に逆流することはない。これを人間の行動に当てはめると、人間は黙っていると楽をする方向に流れていくということです。

 思考に置き換えると、「考えない」方が楽なので、放置しておけば思考停止が進行していく一方だということです。これが前回までで説明してきた老化のメカニズムとの「相乗効果」によって、会社の老化を加速することになります。具体的にどういう状況になっていくのかを見ていきましょう。

 ここでは「思考停止」を二つの側面から捉えていきます。一つは「目的から手段へ」という流れです。もう一つが「全体から部分へ」という流れです。まず「目的から手段へ」を見ていきます。

思考停止から「手段の目的化」にいたる

 私たちの日常の活動は、何らかの目的のために具体的な手段を選択し、それを実行する流れになっています。つまり、あくまでも目的ありきで、そのための手段が必要であるという因果関係になっています。

 ところが思考停止に陥ると、これらの主従が逆転し、「手段の目的化」という状況に陥ります。ICT関連で言えば、会社内への何らかのICTの導入時にこの状況が頻繁に現れます。本来は「業務の効率化」「他社にない差異化されたサービスを提供するため」という目的のために導入が計画されるICTの様々な施策ですが、ともすると「導入することそのもの」が目的となっていきます。

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