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平安時代の「幻の物語」一部見つかる
5月29日 4時11分

平安時代後期に物語が作られ、その後、中盤や末尾の大部分が失われたことから、「幻の物語」とも呼ばれる作品、「夜の寝覚」の失われた部分の一部が見つかり、平安時代の傑作の全容を知る手がかりになるとして研究者が期待を寄せています。

「夜の寝覚」は、女性の主人公「寝覚の上」がさまざまな男性に愛される波乱の生涯を描いた物語で、11世紀後半に「更級日記」の作者としても知られる菅原孝標女が書いたとする説が有力です。
原本はなく、その写本が残されているものの、時代を経るうちに、物語の中盤と末尾が大きく失われ、詳しい内容や結末が分からなくなり、「幻の物語」とも呼ばれていました。
こうしたなか、このほど、京都の古書店が持っていた古い掛け軸の書1枚について、平安時代の文学に詳しい実践女子大学の横井孝教授が鑑定したところ、「夜の寝覚」の中で詠まれていたとされる和歌だったということです。
「夜の寝覚」を巡っては、今回見つかった写本の一部以外にも同じ筆跡のものが、これまでに10枚前後見つかっていて、これらを合わせると、物語の結末に近い場面が復元できたということです。
横井孝教授は「長く幻と思われていた物語が、現実に文字として現れたのは感無量で、平安時代の傑作の全容を知る手がかりになる」と話していました。
見つかった写本の一部は、来月7日から東京・渋谷区の実践女子大学で公開されます。

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