NTTドコモは15日、6月からスタートする国内初の音声通話完全定額制と、データ通信の容量を家族で分け合う新たな料金プランの受け付けを開始した。「鈍牛」ドコモと皮肉られてきたが、ソフトバンクやKDDIに先駆けた背景には、約6千万件の契約者を対象に、様々な料金プランが柔軟に組める基幹システムがある。ドコモの「骨格」の実力を探る。
「契約管理システムの変更は3週間でできる」。NTTドコモの西川清二常務執行役員最高情報責任者(CIO)は新料金プランの導入に伴うシステム対応に自信を持つ。
ドコモは2013年に米アップルのiPhone(アイフォーン)の取り扱いを開始。ソフトバンクやKDDIと横並びとなった今、携帯電話3社の競争力は新料金プランなど顧客サービスの提供スピードが左右する。
■日本で最大級
今年6月に導入する新料金プランは、久々にドコモの気骨を示した。これまで自社加入者間のみだった通話定額を自社―他社間にも適用したのだ。1月に条件付き通話定額の新料金を発表したソフトバンクは「環境の変化により」と新料金を取り下げた。
ドコモが料金でソフトバンクに先んじるなど、いつ以来だろう。自社内音声定額の「ホワイトプラン」や、端末を月割りで買える割賦制度、月負担を軽減する割引制度――。07年以降、革新的な料金プランでドコモはいつも他社を追随する立場だった。
久々に先行できた種は3年半前にまかれていた。表の料金やサービスの陰でそれを支える基幹システムだ。
「アラジン」。6000万人以上の加入者の、それぞれの料金プランや加入条件などを網羅した「契約約款」をベースに、利用状況に応じて変動する契約情報を一元管理する。1日に処理するデータ量は2700万件超で日本最大級のシステムだ。
現在のアラジンは2代目。10年まで稼働した初代システムはドコモの鈍牛ぶりを象徴するかのような存在だった。「新サービスをすぐにでも始めたい」と社長や企画担当役員などから要請を受けても、IT部門は頑迷に拒んだ。「半年はかかります」。言い訳が常態化し、システム変更が経営スピードを阻害する本末転倒にだれも疑問を挟まなかった。
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