日本維新の会の橋下徹、石原慎太郎両共同代表は28日、名古屋市内で会談し、同党を「分党」することで一致した。結いの党との合流問題で浮き彫りになった憲法観の違いを埋められず、日本維新の会は分裂する。橋下氏は今後、結いの党との合流協議を進める。石原氏は持論の「自主憲法制定」に理解を示す保守系議員らとの連携を探るなど、野党再編の動きが加速しそうだ。
橋下、石原両氏は28日午後、名古屋市内のホテルで約40分会談。石原氏は橋下氏に「自主憲法を認めない結いとは一緒になれない。たもとを分かとう」と分党を提案。橋下氏も受け入れた。両氏は29日にそれぞれ記者会見し、分党の考え方や、今後の党運営などについて説明する。
今の日本維新の会は2012年11月、東京都知事を辞任した石原氏率いる太陽の党が、橋下氏や国会議員でつくる旧日本維新の会に合流する形で発足。二大政党の受け皿を狙う「第三極」として注目され、同年12月の衆院選後は民主党に次ぐ野党第2党となった。現在は衆院で53議席、参院で9議席を持つ。
維新は4月の執行役員会で、今夏までに結いと合流する方針を確認していた。しかし、両党の政策協議では、石原氏が求める「自主憲法制定」に結いの江田憲司代表が反発。維新の保守系議員の間では結いとの合流への反対論が強まっていた。
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