菅義偉官房長官は28日の衆院予算委員会で、従軍慰安婦制度への旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話について、作成過程の検証作業に着手したことを明らかにした。6月22日が会期末の今国会中に結果を取りまとめ、公表する方針。談話自体を見直す考えがないことも改めて強調した。
菅長官は「政府中枢に検討チームをつくり、事態を把握すべく作業を行っている」と説明。チームは法律の専門家やマスコミ関係者ら5人で構成し、うち女性が3人。作業が終了すれば5人の氏名を公表する意向も明らかにした。日本維新の会の山田宏氏への答弁。
一方、談話見直しについては「元慰安婦で亡くなられた方々もいる。事実関係を洗い直すことは事実上不可能で、見直しや新たな談話を発出することは考えていない」と重ねて否定した。菅長官はこの後の記者会見で、開催頻度は「検証に耐えられる回数になるだろう」と語った。政府の発表によると、初会合は約1カ月前という。