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「ものづくりって?」 私たちは子供服という手段で、こつこつと表現を模索してきました。 同時に、新しい命を育てるお手伝いとしても。 わがままなデザイン追求の日々、そして、今・・。 実店舗時代には、メーカースタッフ様にサンプル買いされ、 海外工場も含めて大量生産されたことも幾度かありました。雑貨類も含めますと、いまだに 年1回くらいは類似品に気づくため、もはやその驚きにも慣れてきた自分たちがいます。 しかしながら、今回の驚きは質が違っていました。 衣裳デザインや広告クリエイティブのかたわらで、 いまや17歳になる長女が生まれ、初めて興味を持ちはじめた子供服。 なかでも、ロンパースに関してはいろいろなものを作ってみました。最初の頃は 古典をアレンジしての表面処理。次は、初心者ママにも着せやすいものは前開きかなとか、 夏だったら金太郎みたいなホルターネックもあるかなとか。 かわいいものはすぐできるんだけど、機能的にはうまくいったり、いかなかったり・・。 そんな試行錯誤の末に、やっとたどり着いたカタチが「BIBPA」という製品になりました。 そして、こうなったら、日本のベビーちゃんにたくさん着ていただきたい、 そんな思いもあり、国内生産ながらもできる範囲のお手頃価格を目指しました。 グラフィックラインの柄が常にシンメトリー裁断だったり、カールして縫いにくいけれど 綿100%のTシャツ素材にこだわりたく、細部にアイロンかけながらの縫製など、 小さな工場さんに手間のかかる製作をお願いして、やっと量産化。 デビューさせてからもプリント手法やパターンの調整改良。3年ほどの苦労の結果、 BIBPAはベビーウェアの新カテゴリーとして、日本中に広まりはじめました。 その様子が一目でわかるのがInstagramにアップされるみなさんの写真です。 意外なコーディネートでも楽しまれている姿が、作り手として嬉しく、 たまにチェックさせていただいておりました。 ところが、先日、#bibpaで開けたところ、見たこともない柄のBIBPAが載っていたのです。 なにしろ私どもの登録商標たるBIBPAで並んでいるわけですから、 ちょっと問題あるかなと、出所を確認。ご夫婦で営まれているサイトにたどり着きました。 どうやら、ご自分のお子様用に試作されたようでしたが、念のために 意匠的な類似性に関するお考えをメールでお尋ねしました。 すぐさま、Instagram画像を取り下げられ、猛省した旨の紳士的なご返答をいただきました。 が、文面を読んでびっくり。BIBPAそっくりの型紙があり、それを買って作りました、とのこと。 購入先をお尋ねしましたところ、こちらのサイトでした。 手芸に興味ある方でしたら、馴染みのある型紙メーカーさんですね。 でも、こんな偶然があるのだろうか・・。 数日間、悩んだあげく、その責任者たる社長様にお電話差し上げました。 素朴に、ものづくりにたずさわる人間としての見解を知りたくて。 お答えいただいた主旨はこんな感じです。 □外部デザイナーからの持ち込みです。ウチはそのデザイン画をもとに型紙を作っています。 □お客様から、どこどこ(ブランド)みたいな洋服やバッグの型紙を作ってください、とリクエストもあるんです。 以前、意匠登録を特許庁に申請したものの、アパレル製品での難しさをまざまざと知り、 断念した経緯があります。したがって、法的にとやかく言えるものではないのは知りつつも ビジネス上の著作権がこの会社にあると書いてあるのが気になり、そのお話もしてみました。 しかしながら、クレーマー扱いなのでしょうか、ひたすら防衛されるのみ。 股のスナップ、最初は7個だった(奇数の方が打ち込みやすい)のを、コスト削減のために6個にした箇所。 ろくにアパレルの勉強していない私たちが自らパターン引いているからわかる部分、 専門家から見ればヘンテコな形らしいところや、いまどきやらないレトロなゴム入れの処理までそっくり。 デザイン画からだけでここまでたどりつけるとは、どうしても思えないのです。 最後に、BIBPAという私たちの商品をご存知でしたか?という質問をしましたが 知りません。小さな子供もいませんし。とのご返事。 それでは、と、電話を終えたあと、すぐに弊社URLをメール。 「縫製やパターンに関わっている方であれば これらを見れば、すぐに納得。お分かりになるかと思います。 外部からの提案でご存知なかったとはいえ、 あとは運営統括責任者である社長様しだいでしょうか。。。 おなじ物作り人としての「ハート」に期待いたします。 ご検討ください。」と記入。 送信して数週間経ちましたが、ご返事はいただけません。 何か気になるものを見たときのインスピレーション、 その引力から似通ったものを作る。それはデザイナー初期段階では仕方ないこと。 多いに模倣して、そこからオリジナリティを導き出せばいいのです。 けれども、ここに存在する「型紙による拡散」、これはどうなんでしょう。疑問に思います。 ピュアなものづくりをどこまで続けられるのか。 タフになるしかないのはわかっているけれど、ナイーブさは失いたくないし・・。 とうぶんは、私たちのオリジナルデザインBIBPAで 「ベビーウェアのその先」を目指す。そのことで、心を紛らすことにします。 2014.5.20 ALOHALOHA JAPAN, INC. 野瀬&浜崎 |
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