竹熊健太郎氏「大長編漫画を見て育った若者達は、作品のプロットを書くことが出来ない」 - Togetterまとめ
私が大学で漫画を教えることに嫌気が差した理由は、プロットの書ける学生が余りにも少ないという事実に気がついたからです。プロット、つまり作品の粗筋ですが、起承転結なら結まで、序破急なら急まで、要するに筋の最後まで書くのがプロットです。ところが多くの学生はこれが理解できてないのです。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
学生に「プロットを書きなさい」と言うと、多くが粗筋ではなく作品のキャラクターや舞台背景などの「設定」を書いてくるのです。「これは設定であってプロットではない。書き直し」と突き返すと、より詳細な設定を書いて来ます。起承転結という言葉は知っていても、「結」まで書ける人が少ない。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
延々と人物、舞台の詳細な設定を書き連ねて「さあ、これから大冒険が始まるぞ!」と書いて来たりするのです。「いや、そうではなくて『大冒険』の具体的内容を、起承転結の構成で最後まで書くのがプロットなんだよ!」と私は言って、ハッと気がついたのです。彼らは「作品の終わり」を知らないのだと!
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
今の大学生は90年代生まれ。彼らが読む少年誌の大河連載の殆んどは生まれる前から続いているのです。作品が終わる時は人気が落ちて打ち切られる場合なのです。最初にキャラクターと舞台を決めて、後は延々と起承転、起承転を繰り返すのが漫画のストーリーだと彼らが思い込むのも無理はないのです。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
80年代から始まった漫画の長篇志向の弊害が、現在「物語力の疲弊」という形で具体的に現れているのです。これは本当に深刻な事態だと私は思います。物語は現在、ライトノベル分野で辛うじて生き延びていると言えます。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
私が「漫画の実作教育」に危機感を覚えるのは、教育現場と、彼らがやがて仕事をする実作現場との乖離が甚だしくなっているからです。教育現場で教えているのはベテラン作家であり、そこでは短篇を主に教えます。京都精華大学では8ページでストーリーを簡潔にまとめさせます。これは全く正しいのです。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
漫画に限らずですが、まず短篇から始めなかったら教育になりません。手塚先生は4コマからと言いましたが、ページ物とは質的に別ですから、8ページから始めるのが合理的だと思います。しかし学生がデビューする先が求めるものは「大長篇」であり、短篇がいくら上手くてもデビューできないのです!
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
私が繰り返し「漫画の大長編志向」に警告を発するのも、「プロットを理解しない新人作家」が大量発生している事実を目の当たりにしたからです。そして、それが漫画の物語力の低下 → 漫画の売上減少 に繋がっていると信じるからです。業界の過度な商業主義が、自分で自分の首を締めているのです。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 24
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結局、私が出版界の「限度を超えた長篇漫画依存」を批判することと、日本社会の「原発依存体質」を批判することは、同根なんです。全く同じことを批判している。つまり一作品が30巻も40巻も続くから読者は漫画を買わなくなった。これが漫画不況の理由なんですよ。原発は言わずもがな。
— 竹熊健太郎《編集家》 (@kentaro666) 2014, 5月 26
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