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地方
南海トラフ巨大地震を想定、中部電が浜岡原発復旧訓練 静岡
■外部電源供給手順も初めて確認
中部電力は21日、南海トラフ巨大地震を想定した災害時の電源復旧訓練を浜岡原子力発電所(御前崎市佐倉)、市立御前崎総合病院(同市池新田)、ヤマハリゾートつま恋(掛川市満水)の3カ所で実施した。浜岡原発の全交流電源の喪失を想定し、外部からの電力を原子炉に供給する手順を確認した。外部電源の供給手順を確認する訓練は今回が初めて。
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訓練は20日の早朝、東海エリアを中心とした巨大地震が発生し、掛川市などで深度7の揺れを観測したと想定。浜岡原発にも津波が押し寄せ、非常用のディーゼル発電機やガスタービン発電機が使えない状況で、原子炉の冷温停止のために外部から電源を供給する作業を実際に行った。
敷地外の電柱から敷地内に電線を引っ張り、5号機近くにある非常用電柱を経由して、5号機の配電盤に接続する方法を確認。非常用電柱は、普段は津波で倒されないように短く設置されているが、今回は金属製の筒をつなぎ合わせ高さ13・5メートルまで伸ばした。非常用の電柱は約1時間で組み立てられるという。
市立御前崎総合病院で行われた訓練では、大地震で停電になった同病院に、東京電力と中部電が発電機車2台を差し向け、計800キロワットの電力を供給した。両社の発電機車を使った訓練は初めてという。
また、ヤマハリゾートつま恋は、浜岡原発の復旧作業を行う際の“前線基地”としての活用を想定。応援部隊が原発で復旧作業をした後の作業着や、応援部隊が原発に乗り入れた後の乗用車の除染手順などを確認した。
一連の訓練を統括した中部電の藤田祐三配電部長は「マニュアルだけに頼らず各自で確認することが早期の復旧につながる。今後は、高所作業車などを使わない人力のみによる外部からの電力供給の訓練も行いたい」と話した。
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