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2014.5.27 TUE
TEXT BY KATIE COLLINS
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED NEWS (UK)
月探査機「LADEE」に搭載されたLLCD。LADEEは月面の大気や塵を調査する探査機で、2013年9月6日に打ち上げられた。画像は別の日本語版記事より
月や火星などで生活するには、空気や水、新鮮な野菜のほかに、なにが必要だろう? そのリストの上位に来そうなもののひとつが、信頼できるワイヤレス・インターネット接続だ。そして、米航空宇宙局(NASA)とマサチューセッツ工科大学(MIT)のおかげで、大きなデータの伝送や、高精細動画のストリーミングが可能になるかもしれない。
NASAとMITの研究チームは2013年10月、地球から38万km離れた月の周回軌道を回る探査機「LADEE」(Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)との間で、宇宙通信の新記録を打ち立てた(日本語版記事)。
LADEEが搭載するレーザー通信システムLLCD(Lunar Laser Communication Demonstration)は、月から地球までは622Mbpsでデータを伝送。地球から月への速度も19.44Mbpsを達成した。地球から月へのアップリンクにおけるこの伝送速度は、これまでの無線信号による通信を4,800倍上回るものだ。
NASAとMITのチームは今回、カリフォルニア州で開催される「CLEO」(レーザー・エレクトロオプティクスに関する会議)において、6月9日に研究成果を発表する(すでに米国光学会によって詳細は公開されている)。
「地球から月への高速データ通信は難しい」と、MITリンカーン研究所のマーク・スティーヴンズは説明する。「距離の問題だけでなく、大気中を通すことで、難しさは倍になる。乱気流によって光が屈折し、信号の受信機側で急速なフェージング(受信レベルの変動)や、ドロップアウト(情報の欠落)が発生する場合があるためだ」
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