河野洋平氏に公式謝罪を求める国民デモ(幸福実現党公式サイトより) |
■河野談話の撤回と謝罪を要求
「河野談話」は、第二次大戦中の朝鮮半島における「従軍慰安婦」について、軍人による強制があった事例があったことを認め「お詫びと反省」を表明したもので、1993年に河野洋平官房長官(当時)が発表しました。
幸福実現党が17日に行ったデモは、河野洋平氏と息子の太郎氏に対して、この「河野談話」の撤回と謝罪を求めるというものでした。主催団体は「河野談話白紙撤回を実現させる!会」。代表でデモの実行委員長を名乗る苅部勝人氏は、幸福実現党・神奈川県本部西神奈川担当幹事長。同党神奈川県本部が協賛し、実際のデモには同党ののぼりが多数並ぶ、実質的に幸福実現党によるデモでした。
苅部氏はデモの冒頭挨拶で、こう語っていました。
声明文を読み上げる苅部勝人氏(幸福実現党公式サイトより) |
こうして、主催者発表で約300人の「歴史的デモ」が始まりました。
■「歴史的デモ」が「歴史的誤爆」に
「日本を追い詰める河野談話は史上最悪の捏造だ~!」
「捏造だ~!」
「河野洋平氏は公式の場で謝罪せよ~!」
「謝罪せよ~!」
「中国や韓国のマスコミを使って自己弁護をするのはやめろ~!」
「やめろ~!」
威勢のよいシュプレヒコールを上げて練り歩きます。そしてデモの終盤。幸福実現党がウェブサイトに掲載したリポートには、こう記されていました。
「また、デモコース終盤では、苅部氏が河野太郎邸に声明文を投函するサプライズがあり、デモ隊からも拍手が上がりました」
なぜか「河野談話」の河野洋平氏ではなく、息子の太郎氏を狙っての声明文投函。写真まで掲載されていることから、この個人宅前でデモ隊が拍手をし写真撮影もしていたことがうかがえます。
歴史的誤爆の瞬間(幸福実現党公式サイトからすでに削除) |
ところが、このデモについて河野太郎氏が同日夕方、Twitterで、こう発言。
| 河野太郎氏のTwitterでの発言 |
Twitter上では、こんな反応。
「愛国心さえあれば、知識も教養も要らないんですね」
「馬鹿ですね」
「河野さん、とんだトバッチリ(笑」
「♪河野邸の前で泣かないでください~ そこに私はいません~ 眠ってなんかいません~ ていうかぶっちゃけ他人の家です」
と、幸福実現党、完全な赤っ恥です。この自称「歴史的デモ」は、「歴史的誤爆」だったようです。
■苅部氏「ポスティングシーンはカットして」
本紙では、河野太郎氏に直接問い合わせてみました。
「あの敷地は、かつて父・河野洋平の自宅であり、私が育った家があった場所です。しかし現在は父も私もあそこには住んでいません。土地も分割されていて、当時の状態ではありませんし」(河野太郎氏)
| Facebook上での苅部氏の釈明(5月27日に削除) |
「特定の家屋にシュプレヒコールを浴びせる個人攻撃のようなことは一切なかった」
「デモコースの途中、河野洋平氏所有敷地前を通過しましたが、デモ隊のシュプレヒコールには特段の変更もなく、当然警察官の方々から注意を受ける事態も起きていなかった」
と、何の問題もなかったかのように語っています。ところが一方で苅部氏は5月20日にTwitter上で、デモを撮影したとする人物相手に、こんな業務連絡をしています。
「私がポストに入れた家屋は、登記簿上は河野洋平の土地、建物は河野○○(洋平氏でも太郎氏でもない人物の実名)が所有者、居住者は不明です。封書に「太郎氏気付洋平氏」としたので、居住者が太郎氏でない弱みがありますゆえ、ポスティングシーンはカットいただけると」
土地所有者が誰であれ、居住者を確認できない状態で声明文を投函して間違ってしまったのだから、確かに「弱み」です。そして撮影者からは、こんな返答。
「ポスト投函されてたんですか!気づかなかったので映像には納めておりませんでした」
これらのやりとりはすでに削除されていますが、Togetterでまとめられています。苅部氏は、必要のない業務連絡をわざわざ公開の場で行って、自らの「弱み」を公言してしまったわけです。苅部氏の誤爆は、「河野太郎邸への声明文投函」につづいて、3日ぶり2度目。
では、誤爆を自覚している苅部氏は、改めて河野太郎氏の事務所などに声明文を届けたのかというと、そうでもないようです。
「(本紙が河野太郎氏に取材した5月23日現在)幸福実現党からうちの事務所宛に送られてきたりはしていません」(河野太郎氏)
間違えた家から徒歩10分もかからない場所に、本物の河野太郎氏の事務所もあるのに。
当初、ポスティングの件も含めてデモの報告をしていた幸福実現党の公式サイトなど、幸福の科学関連のサイトからは、このポスティングについての記述や写真は根こそぎ削除され、ポスティングそのものがなかったことにされています。しかし、記事の訂正や謝罪告知などは見当たりません。
やり逃げもいいところです。
神奈川県警平塚署は本紙の取材に対し、今回、デモ隊が「河野さん」宅に立ち寄ることについて道路使用許可申請等での事前の申し出があったのかについて、「警備の都合上、答えられない」としています。今回のケースに限らない一般論として、そういった場合に届け出が必要なのかどうかについても、「警備の都合上、答えられない」そうです。
■幸福の科学は取材拒否
本紙は、幸福実現党のコメントを求めるべく、幸福の科学グループ広報局に電話をかけました。
女性「はい。幸福の科学グループ広報局です」
本紙「やや日刊カルト新聞の藤倉と申します。5月17日に平塚市で行われたデモについて、取材のお願いでお電話しました」
広報担当者「はい、お電話変わりました。
本紙「やや日刊カルト新聞の藤倉と申します。5月17日に平塚市で河野談話の撤回を求めるデモをされましたよね。それについて……」
広報担当者「それは、取材という趣旨ですか」
本紙「そうです」
広報担当者「藤倉さんの取材にはお答えしないとお伝えしてありますが」
本紙「知っています。でも、取材内容によっては答えるかもしれないので、その都度連絡するようにしているんですが」
広報担当者「藤倉さんは出入り禁止ですし、取材にもお答えしません」
本紙「取材の内容を聞くまでもなく答えない、ということでいいですか?」
広報担当者「はい。今後も、藤倉さんの取材にはお答えしません」
本紙「わかりました。でも、今後も、言い分を聞く必要があると判断すれば連絡はしますよ。いままでもずっと、そうやってきてますし」
広報担当者「でもお答えしませんよ」
本紙「でも連絡しますよ」
■苅部氏も取材拒否、釈明文も削除
そこで、今度は苅部氏の携帯電話に電話してみました。今回のデモは、形式的には幸福実現党主催ではなく苅部氏が代表を務める「河野談話白紙撤回を実現させる!会」の主催ということになっています。本紙は、「河野談話白紙撤回を実現させる!会」から出入り禁止や取材拒否を通告されたことは、いままで一度もありません。きっと苅部氏は答えてくれるはず。
電話をかけると、苅部氏は、ポスティングした家について
「河野洋平氏の娘さんが土地所有者であることを登記簿で確認している」
などと語りました。しかし詳細については、
「マスコミ相手のコメントなので、間違えないようにしっかり文書で回答したい」
そこで本紙は、以下の3つの質問をメールで送りました。
(1) 河野洋平・太郎氏いずれでもない民家に声明文を投函した事実は認識していますか?
(2) 今回の抗議デモや声明文と無関係の人の家に文書を投函したことについて、その家の方に撤回と謝罪を伝えましたか?
(3) 苅部勝人様は、幸福実現党神奈川県本部西神奈川担当幹事長で間違いないですか。
これに対する、苅部氏からの返答です。
「「やや日刊カルト新聞をお調べし検討した結果、取材はお受けいたし兼ねますので、あしからずご了承下さい。河野談話白紙撤回を実現させる!会苅部」
そして5月27日、本紙が苅部氏に取材の連絡をした後に、苅部氏はFacebookに掲載していた釈明文を削除しました。
■幸福実現党は撤回と謝罪を
| 人の家の前で演説する及川氏(YouTubeより) |
にも関わらず、今回のデモでは、平塚市内にある別の家にデモをかけてしまった幸福実現党。内部で情報の共有ができていないのでしょうか。それとも、及川氏による昨年の河野邸前での演説も「誤爆」だったのでしょうか。
1991年、教団が『フライデー』の記事に抗議し、講談社に対して信者による抗議電話&FAX攻撃とデモを繰り広げていた際、別会社である日刊ゲンダイも巻き添えを食いました。日刊ゲンダイも、信者からの抗議の電話とFAXで業務がマヒしましたが、教団は日刊ゲンダイに対しても抗議デモを行おうとしました。ある日刊ゲンダイ関係者は、当時をこう振り返ります。
「幸福の科学のデモ隊が来ると言うんで、窓を開けて外を見たんだ。すると、デモ隊の声が聞こえてきた。ところがあいつら、うちの会社が入ってるビルがどれなのかわからなかったみたいで、会社の前まで来ないんだよ。で、諦めたのか、近くの道路を通り過ぎただけで帰っていったよ。こっちは、会社まで来たらきちんと記録してやろうと、ビデオカメラやレコーダーを用意して待ち構えていたのに、がっかりだったね」
幸福の科学は、デモのターゲットを特定するのが不得手なのでしょうか。どうりで、やや日刊カルト新聞社や藤倉善郎主筆宅に幸福の科学のデモが来ないわけです。
しかし今回は、ターゲットを見つけることができなかったのではなく、間違った家をターゲットにしてしまいました。その家の方は、さぞびっくりしたことでしょう。
これについて、本紙・藤倉善郎主筆は、こう語ります。
「抗議の内容と関係ない特定の市民を不安がらせるようなデモが、許されていいはずがありません。幸福の科学は、誤って声明文を投函した家に対して、声明文の撤回と謝罪を行うべきでしょう」
現在、藤倉主筆が「河野談話の撤回と謝罪を求める声明文の撤回と謝罪を求める声明文を間違って幸福実現党本部ではなく大川隆法総裁の家に投函して撤回も謝罪もしないデモ」を計画中との情報もありますが、詳細についてやや日刊カルト新聞社では「警備の都合上、答えられない」としています。
◇参考サイト
togetter/幸福実現党「河野洋平に『河野談話』撤回させるぞー!」→河野洋平&太郎とは無関係な河野某氏がトバッチリ
8 コメント:
こういう記事って後でじみ〜にボディブローのように効いてくるんだよね。もちろん教団にね。
こんなの、すぐにその家に謝りに行ってエルカンターレまんじゅうでも置いてくればいい話なのに、何でこの人たちは謝れないかねぇ。
隠そうとするから話が大きくなる。
河野談話は一族の恥。
河野一族の家だろ。
親戚からも撤回してもらうように頼んだんじゃね。www
>隠そうとするから話が大きくなる。
そうそう。で、裏まで勘ぐられるのがオチ。
まちがったら「ごめんなさい」。
子どもでも知ってるのにな。
>エルカンターレまんじゅう
大悟館で売ってるあれな!
信者で大人気。あんこが金粉入りってやつ!
「申し訳ありません。間違えました」の一言が何故言えないのか。
これができないから「カルト」と言われる。オーカワに糞味噌に怒られてるのかな。それとも黙っていたらオーカワのオッサンはわからないからこの対応なのかな。
間違った後の対応が一番愚か。
ttp://www.daily-tohoku.co.jp/news/shakai/20140527/2014052701002082.html
幸福の科学に供養料など返還命令 東京地裁「解約可能」
宗教法人「幸福の科学」を退会した女性4人が、「永代供養料」や「納骨壇申込金」の返還を求めた訴訟の判決で東京地裁は27日、
「法律上解約が可能だ」と認め、同法人に約2300万円の支払いを命じた。
判決によると、4人は幸福の科学に入会後、納骨壇の使用料として350万~700万円を支払い、
うち2人は永代供養を依頼してそれぞれ200万円を納めた。
2012年、信仰心を失ったことを理由に退会した。
法人側は「受け取ったお金はお布施で、通常の委任契約と違って解約は認められない」と主張したが、
宮坂昌利裁判長は「支払ったお金は、永代供養の委託や納骨壇の利用への対価であり、委任契約の性質を持っている」と指摘。
民法の規定に基づき、解約は可能との判断を示した。
幸福の科学は「信仰の内容に介入し、信教の自由を侵害した判決だ。即刻控訴する」とコメントした。
エルカンターレまんじゅう(w
オウム食のデザートにちょうど良さそう。
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