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■特派員リポート 山脇岳志(アメリカ総局長)

 ちょうど私たちが日本の中学や高校で英語を習うように、米国の学校にも外国語の授業がある。

 米国の生徒が学ぶ、人気の外国語は何だろう。

 米国外国語教育協会が実施した最も新しい調査(2007~8年、公立の高校生以下が対象)では、スペイン語が642万人で圧倒的に多い。フランス語125万人、ドイツ語40万人、ラテン語21万人に続き、日本語は第5位で7万人、そのあと中国語が6万人で続く。

 外国語として日本語を学んでいる高校生が、全米から集まってくるクイズ大会がある。「National Japan Bowl」(全米ジャパンボウル)という名前で、毎年、ワシントンDC周辺で、開かれている。

 それぞれの高校代表がチームを組んで、日本語や日本の歴史や文化に関するクイズに取り組む。公平性を保つため、親が日本人などで自宅で日本語を話している生徒や、日本で教育を受けた帰国子女は参加資格がない。12年生(日本の高校3年生にあたる)の優勝チームには、日本への研修旅行がプレゼントされる。

 22回目を迎える今年の大会は4月10日と11日の2日間、ワシントンDC郊外の会議センターで開催された。今年は日本政府のプロジェクトからの支援もあって、優勝チームを含め、成績が優秀だった43人が特別に日本に招かれる。西海岸のカリフォルニアやグアムなども含め、全米各地から約40校、総勢230人以上の高校生が参加すると聞いて、会場を訪ねた。

     ◇

 ちょうど、桜が満開の時期と重なった。

 4月10日の予選。日本語を学びはじめてから4年目、一番難しい問題に取り組んでいる12年生の会場をのぞく。

 何十人もの高校生が座席に腰かけ、アナウンスとともに、正面の大きなスクリーンに次々に映し出される問題の答えを、静かに解答用紙に書き込んでいた。

 問題は、英語で出される場合もあれば、日本語だけの場合もある。日本語の語彙や文法を尋ねる問題から、日本文化や歴史、スポーツ、時事問題まで幅広い知識が問われる。やさしい問題もあるが、日本人でも答えに窮する問題もある。

 たとえば、相撲取りが土俵入りする場面の写真が示され、これを日本語(ひらがな)で書けという出題があった。雅楽と舞楽の違いを問うものもあった。

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