学校の統廃合促す新指針作成へ5月27日 4時06分
文部科学省は、クラス替えができないなど小規模な学校が増えていて、背景に子どもの減少に比べて学校の統廃合が進んでいない実態があるとして、統廃合を促す新たな指針を作ることになりました。
学校の規模は、集団での学習など教育の質を確保するため、小学校は1学年2クラスから3クラス、中学校は4クラスから6クラスが望ましいとされていますが、この基準を下回る小学校は全国で46%、中学校は52%に上っています。
文部科学省は、背景に子どもの減少に比べて学校の統廃合が進んでいない実態があるとして、統廃合を促す新たな指針を作ることを決めました。
指針では、学校の規模が小さくなるにつれてどのような教育上の課題が生まれるかを明記し、統廃合の必要性の度合いを5段階ほどに分けて示すことにしています。
また、適正な通学距離の目安は、現在、徒歩で通うことを前提に「小学校は4キロ以内」とされていますが、スクールバスなどで通学することも想定し、「1時間以内」といった目安に切り替える方針です。
一方で、地理的に統廃合が難しいケースに対しては、情報通信機器を活用するなど教育の質の確保を支援していきたいとしています。文部科学省が統廃合を促すために学校の適正な規模について考え方を示すのは、昭和31年に統廃合の基準を通知して以来、58年ぶりです。
文部科学省はことし秋をめどに指針をまとめ、全国に通知することにしています。
専門家「子どもの学習の保障を」
学校の統廃合の問題に詳しい文教大学教育学部の葉養正明教授は、「学校は地域の共有財産と捉えられており、子どもの数が減ったからといって統廃合が進まないのが実情だが、子どもの学習を保障するという観点が何より大切だ。一方で、離島など統合したくてもできない地域があることも確かなので、予算や教職員を増やして教育の質を確保する工夫が求められる」と話しています。
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