京都市の高山寺に伝わる国宝絵巻「鳥獣人物戯画」(甲乙丙丁の4巻)の修理完成を記念し、京都国立博物館(京都市)は27日までに、修理過程の成果を紹介する展覧会「国宝 鳥獣戯画と高山寺」を今秋開くと発表した。同博物館が4巻を同時に展示するのは、1981年以来、33年ぶり。
絵巻の修理は2009年に始まり、昨年3月に完了した。その過程で、鎌倉時代の作とされる丙巻が全4巻の中で唯一、人物画と動物画が並んでいた謎が解明。もとは1枚だった和紙の表と裏に描かれていたものを剥がし、つなぎ合わせて一つの絵巻物に仕立てたことなどが判明していた。
同博物館の赤尾栄慶・学芸部副部長は「両面の絵を一度に見渡したいという単純な発想ではないか」と話している。
同展の会期は10月7日から11月24日まで。〔共同〕
京都国立博物館、鳥獣戯画