海外メディアが伝えたAKB48襲撃事件
GQ JAPAN 5月27日(火)18時30分配信
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ファンの善意を信じた“会いに行ける”ビジネスモデルが揺らぐ(画像はイメージです) |
AKB48の川栄李奈さんと入山杏奈さんが、握手会イベントで男に切りつけられたというショッキングなニュースは、国内だけではなく英BBCや米ABCといった海外メディアでも大きく取り上げられている。日本独自の文化として発展してきた“アイドルグループ”と今回の事件に対して、外国の人々はどのような目を向けているのだろうか。
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まずAKB48とは何であるのか。女性タレントをこれだけの規模で1つのグループとして活動させるアイドル産業は日本以外には存在しない。言うまでもなく、欧米にもグループでパフォーマンスを行うアーティストはいるが、デスティニーズ・チャイルドやTLCは3人、ガールズ・アラウドは5人、ザ・サタデイズは6人と、大抵は十指で足りるメンバー数だ。NBC Newsでは「10代から20代前半のメンバーから成るガールズバンド」、英Daily Mailは「日本で大人気の歌とダンスを披露するグループで、インドネシアや中国、台湾にもファンが多くいる」とAKB48を端的に紹介しているが、音楽活動のほかにも、水着でグラビアを飾ったり、テレビのバラエティ番組で笑いを取ったり、映画やドラマに出演したり、といったオールマイティな露出を図る点も、日本のアイドルならではの特徴だ。先に挙げた欧米の女性グループは音楽活動に特化し、アイドルではなくアーティストに分類される。
今回の事件は、USA版Google ニュースのエンタテインメントカテゴリでホットトピックスに入るほど多数のメディアで取り上げられている。
米HUFFINTONG POSTでは、「AKB48の握手イベントは毎年日本で開かれている。長居するファンを引き離すピーラーズ(peelers、剥がす人たち)と呼ばれる用心棒がおり、これまでに大きな事故はなかった」と、握手会名物のいわゆる「剥がし」について説明。「彼らがファンの近くに配置されているのは素晴らしい。しかし、今回のような人が潜んでいる可能性を肝に銘じなければならない」と、“人気トークショーの司会者”として宮根誠司さんのコメントを引用している。
この件を扱った記事に寄せられたコメントには、「この少女たちはとってもかわいらしいのに、こんなひどい目にあってかわいそうだわ。早くよくなることを願っています」、「僕の娘は16歳で、日本のポップスが好きなんだ。だからこのグループのことも知っている。娘は、彼女たちはみんな(全部で100人以上もいるらしい)、とてもかわいくて、ファンに心から感謝しているんだと言っていた。2人の少女が速やかに回復することを祈るよ」、「Hayaku yoku nattene - 早くよくなってね、って日本語でこう言うんだよ」といったように同情を示す声が多く見られる。
中には日本のアイドル文化の在り方に疑問を呈する人もいる。
「非常に不運ではあったが、驚くべき事態ではない。日本の“アイドル”産業は、適度にファンを狂わせることを意図した文化だ。だから彼らは彼女たちに襲いかかるかわりに、つけ回したり、役に立たないグッズに月何千ドルも費やすようになる。ほかの記事を読むと、このアイドルたちは脅迫状を送りつけられたり、ストーカーやいやがらせの被害に遭っていたようだ。そしてデートや、肉を食べているところを見られるのを禁じられているとか……本当に日本はどうかしている」
逮捕された梅田悟容疑者(24)がAKB48のファンというわけではなく、「誰でもよかった」と無差別殺人をほのめかす供述をしていることは、27日午前時点では海外で報道されていないようだ。
罪のない少女をノコギリを持った男が襲う……今回の事件は凶悪かつ卑劣であり、決して許してはならない犯罪だ。しかし、米国ではこれを“不幸中の幸い”と捉える向きもある。
「これは日本で起こったショッキングな犯罪ですね。日本に銃規制があることを神に感謝します」
「ああ、もしこれがアメリカで起きていたら、会場は死体で埋め尽くされただろう。頭のおかしいヤツってのは大体銃で武装しているもんだ。ありがとよ、NRA(全米ライフル協会)」
最終更新:5月27日(火)18時30分
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