川栄と入山、帽子姿で退院「ご心配をおかけしました」…ＡＫＢ襲撃事件

負傷した手をタオルで覆って取材に応じる川栄李奈（左）と入山杏奈

　２５日に岩手・滝沢市で行われたＡＫＢ４８の握手会で、川栄李奈（１９）と入山杏奈（１８）、スタッフをのこぎりで切りつけ逮捕された青森・十和田市の無職・梅田悟容疑者（２４）が「（殺すのは）誰でもよかった」と“無差別殺人”を計画していたことが２６日、分かった。

　のこぎり男に切りつけられ、２５日に手術を行った川栄と入山は２６日、入院していた盛岡市内の病院を退院した。

　２人が病院を出たのは午後６時３０分頃。入り口に６０人以上の報道陣が詰めかけるなか、２人は帽子を目深にかぶり、骨折してギプスをつけている手にはタオルをかぶせた状態で姿を見せた。無数のフラッシュにまぶしそうな様子を見せると、初めに入山が「ご心配をおかけしました。もう東京に帰ります」。マスクで顔を隠した川栄は「ありがとうございました」と話し、数回頭を下げた。

　報道陣から「ファンへ一言」と問われると、川栄が「ご心配おかけしました。もう大丈夫です」と再度頭を下げ、用意された車に乗り込んだ。２人とも終始うつむき加減だったが声は力強かった。入山の足取りはしっかりとしていたが、川栄はスタッフに支えられて歩いた。

　ＡＫＢ４８劇場の湯浅洋支配人（５１）は「手術が無事に成功し、容体も安定している」と２人の現状を説明。事件の直後、相当のショックを受けた２人は、食欲はないが食事は意識的に取るようにしていたという。別の病室だったため、お互いの病状も気にしていた。２５日夜には２人の母親も病院に駆けつけて看病した。

　この日は病室でテレビを見て、自分たちの事件が大きく報じられていることを知った。帰京後は、川栄は神奈川県内の、入山は千葉県内の実家に戻った模様だ。今後、都内の病院で再検査を受ける。入山は２７日、初の主演映画「青鬼」（小林大介監督）のマスコミ向け取材日になっていたが中止が決定。仕事復帰について湯浅支配人は「２人のメンタルが一番心配です」と話し、心身両方の回復具合を見て判断すると語った。

　◆ＣＭはどうなる？　勉強の苦手な川栄李奈が「薬膳コーディネーター」の資格取得に挑戦する「ユーキャン」のＣＭが今週金曜放送分に限り、内容を差し替えると２６日、同社の担当者が明かした。来週以降の対応は未定。また、ＡＫＢ４８メンバーが出演するアサヒ飲料の缶コーヒー「ＷＯＮＤＡ」などのＣＭは予定通り放送する。

　◆テレビはどうなる？　３０日のテレビ朝日系「ミュージックステーション」（金曜・後８時）にＡＫＢが出演予定。川栄と入山も名を連ねており、テレ朝では「予定通り出演すると聞いています」。川栄が水曜日にレギュラー出演している「バイキング」（前１１時５５分）を放送しているフジテレビは２８日の出演について「ギリギリまで様子をみて決める」と話した。川栄が主演しているテレビ東京系連続ドラマ「セーラーゾンビ」（金曜・深夜０時５２分）は今後の放送について「協議中」。日本テレビの「ＡＫＢＩＮＧＯ！」（火曜・深夜０時５９分）、ＴＢＳの「有吉ＡＫＢ共和国」（月曜・深夜２時１６分）などは通常通り放送するという。

　◆事件のあらまし　２５日午後４時５５分頃、岩手・滝沢市の岩手産業文化センター「アピオ」で行われていたＡＫＢ４８の握手会で、メンバーの川栄と入山、２０代の男性スタッフの３人が、梅田容疑者に長さ約５０センチの折りたたみ式のこぎりで切りつけられた。現場は建物内に設営されたテント。同５９分にスタッフが１１０番通報し、同５時８分に警察官が、梅田容疑者を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。