もうご存じの方も多いかと思うが、AKB48のメンバーがイベント会場で刺された…という事件が発生した。
AKB48握手会で男が刃物振り回す 3人けが 岩手:朝日新聞デジタル
この件についていろんな憶測やリアクションを見たが…どうも僕が思っているものと違うので僕の意見も書いてみることにした。
ちなみに、多くの意見が出ていた物をまとめたものも1つ貼っておくので気になる方は参考にどうぞ。
殺傷事件で危惧されるAKBの握手会ビジネスモデルの終焉 : 市況かぶ全力2階建
- 刺されても彼女達の有名税じゃないの?
結論から言えば
「早かれ遅かれ、誰かがやってた事件であり、動機や結果には意味が無い」
ということだ 。彼女達を人前に無防備に立たせてしまうこと自体がそもそもの間違いで、犯人の動機や事件の規模に関わらず「国民的アイドルになっても会いに行けること」の方がおかしいのだ。
「誰が」とか「なんで」とか犯人の特徴にばかり議論が固執しているが、そんなことよりも「AKB周辺で事件が起こるリスクはもともと高かったのではないか?」という議論のほうがずっと大事だ!そっちの議論が比較的少ないことに疑問を感じる。
それをものすごく残酷な言い方にすれば、「その切り傷も坊主頭も所詮はあなた達のような運動会のお遊戯レベルのことしかできない連中が不相応なお金をいただくための代償でしょ?文字通り【体で稼ぐ】ことを実践した結果でしょ?」と言いたくもなる。
もちろん、勘違いしないでほしいのは「自業自得だ」「AKB48なんかひどい目にあって当然」と言いたいのではない。ただ、有名人として仕事をする以上、人前に出ることで見に覚えのないバッシングや「だれでもいいから」という理不尽な標的になるリスクは常に抱えながら生きてる…と言いたい。
彼女達がいいとか悪いとかそんな話を論じる気もなく、ただ「そういうお仕事なんだから嫌ならやめれば?」としか言えないだけ。
普通のアイドルならちゃんと守られた場所にいるし、いわゆる「会いに行けるアイドル」というのも有名になった段階で「危険で高コストなのでやめます」 というふうになるのかもしれないけど…なぜそうならなかったのか?
以前に、AKB48に言及した時のこの一文を見てもらうとわかるかもしれない。
AKB48「峯岸みなみ」の坊主騒動について - とある青二才の斜方前進
秋元康にとって「AKB48の間でメンバーの感情が暴走し続けること」が重要であって、誰が勝つかなんてどうでもいいんだ。AKB48というシステムに女の子閉じ込めることが重要で、それは誰だっていいんだよね。誰がやっても「不完全さ」にストレスを感じる場所だから。
僕が「キュウべぇ」と一緒と言った理由は「欠陥だらけの魔法少女」という立場になることをお願いし、魔法少女がどんだけ不幸になろうとも、自分はそれらを糧にしてしまうというキュウべぇと、「不完全なアイドル」を運用し、プラスのニュースもマイナスのニュースもAKBそのものの活気としてファンを増やすきっかけにし、少女が坊主にしようがAV女優にしようが、生き恥を晒そうが、それらを自分の糧にしてしまう秋元康がとても重なったから。
握手会で何かしらの事故が起こることは昭和からアイドルやタレントと仕事をしてきた秋元さんぐらいの人ならいつか「危険が伴うから辞めよう」と言い出すべき日が来ることは想定できたはずだ…。
なぜなら、「会いに行けるアイドル」ができるのは「会いに行けるほど人気がないか、会いに行けるほど安全が確保されてる時」だけだ!
別に「女の子のアイドルだから」という問題なのではない。行くところにいけば、水曜どうでしょうのおっさん二人だってパニックになって人だかりができてしまうのが「タレント」「芸能人」という仕事柄だ。(他にもカンニング竹山さんがテレビで待ち合わせ場所を指定して会いに行くキレ芸をしたところ、ファンにたかられて待ち合わせどころじゃかった…という映像が「エンタの神様」で放送されたこともある)
もっと踏み込んだことを言えば「会いに行けるアイドル」はアイドルかもしれないけど、有名人ではないんだよ…。有名人じゃないから会いに行けたし、有名人になった途端に会いになんかいけなくなる。
その無理を続けた結果が今回の事件だ。犯人はAKB48憎しの犯行ではなく「誰でも良かった」と証言しているそうだが、なんでその「誰でも良いがAKB48の女の子になったか」といえば…このつぶやきを見てもらいたい。
今回のAKBの事件もそうだけど、通り魔犯の供述でよくある「誰でも良かった」というのは嘘っぱちだよ。彼らは決して柔道部や相撲部屋の集団は襲わない。だって自分よりも強いから。彼らはいつも、自分より物理的に弱い人間、何の価値も無い自分が束の間だけ強い気分に浸れる相手を選んで襲うんだよ。
— パン缶(cannedbread) (@_cannedbread) 2014, 5月 26
昔、岡田斗司夫さんに萌えアニメについて説明した人がまどか☆マギカのような種類のアニメを「白痴同然の女の子がひどい目に合うのをおいおい泣きながら見るアニメ」と言ったそうだけど、AKB48を襲った人・見て楽しむ人の心理はこういうアニメ的な消費なのかもしれない。
面白いのがAKB48というアイドルはなにか1つの項目で見るとどれから見ても完成度が低いのよ…。
まず、メンバーは「クラスの5,6番目にかわいい女の子」というコンセプトで選ばれているため、飛び抜けて美人な子はメンバーの中にいない。(基準で選ばれてない)
続いてダンスや歌が特別うまいかと言われると…そんな基準で選んでるとか、そういう凄技を見せる映像が出てくるわけでもない。
じゃあ、なんでウケるのかというと
「あんまり美人な人よりも、普通から少しだけ美人なぐらいの方が緊張して声がかけられるから」という同年代男性の支持。(女性も女性で言うほど美人じゃないほうが嫉妬もしないし、見上げないで楽しめちゃうという人間の醜い心理をうまく突いているところが面白いんです…)
「子どもの学芸会を運動会をビデオで撮るような感覚で楽しめるから」というおっさんファンの声。
良くも悪くも尊敬されたアイドルではなく、見下し気味に愛玩物として親しまれた少女性がAKB48の売りだ。頭がいい事や芸ができることなど「完成度」で評価されてない部分が坊主にしても許されることにもつながる。その反面で、今回みたいな「誰でもいい」犯罪に巻き込まれたり、アイドルなのに全然身の安全を確保してもらえなかったりするところにつながってるんだよなぁ…。
「アニメ的な消費」は頭の中でつながるところを感じた僕の言い分でしかないけど、本当にアイドルとして大切にするなら会いに行くことよりも身の安全を確保してあげてほしいなぁ…。
人から名前を知られる、知らない人から好意も嫌悪も持たれながら仕事するには彼女達は若すぎる。助けが必要だと僕は思う。
僕のようにオフ会に行って4人ファンがいて一人女の子で、それで天狗になれるような小人物じゃないんだよ?国民的スターなら宣伝やお金以外の部分でもそれなりに扱ってあげなきゃ。
せっかく怪我しても知名度が上がらないとかわいそうなので、今回は被害にあった女の子のカレンダーにした。
それにともなってAKB48の関連商品を調べたら、グラビア多いね。「月曜から夜ふかし」で今グラビア誌をAKB48がたくさん飾るという話は聞いていたけど、本当にすごいね。