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 アルツハイマー病研究の国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」のデータ改ざん疑惑で、田村憲久厚生労働相は27日、東大に依頼した調査結果に納得できない場合には「東大を介して我々が調査することはあると思う」と述べ、厚労省が再調査に乗り出す可能性を示した。データ保全を要請された被験者のデータ書き換えについては、口止めのメールを送っていたとされる代表研究者の岩坪威東大教授から、27日にも事情を聴く方針だ。

 茂木敏充経済産業相も会見で、データ事務局に室長格で出向中のエーザイ社員から事情を聴き、「書き換えの事実を確認した」と語った。そのうえで「研究成果をゆがめ、調査を妨害する行為があるなら看過できない」と述べ、全容解明に当たる考えを示した。

 田村氏は、データ書き換えで東大調査に疑義が生じている問題について、「データ保全をお願いし、了承して頂いたにもかかわらず、データの書き換えが行われているとすれば認められない。非常に憤りを感じている。厳正に対処したい」と厳しく批判した。