高円宮家:次女典子さま婚約内定
毎日新聞 2014年05月27日 11時05分(最終更新 05月27日 12時04分)
宮内庁は27日、高円宮家の次女典子(のりこ)さま(25)と出雲大社(島根県出雲市)祢宜(ねぎ)=宮司(ぐうじ)の補佐役=で、祭務部長の千家国麿(せんげ・くにまろ)さん(40)=同市=の婚約内定を発表した。一般の結納にあたる「納采(のうさい)の儀」などを経て、今年秋に出雲大社で結婚式を行う。典子さまは結婚に伴い皇籍を離脱する。女性皇族の結婚は、2005年の紀宮(のりのみや)さま(黒田清子さん)以来9年ぶりとなる。
典子さまは大正天皇のひ孫にあたる「女王(じょおう)」で、女王の結婚は戦後初めて。典子さまと母の高円宮妃久子さまはこの日午前、皇居・御所を訪れ、天皇、皇后両陛下に報告。西ケ広渉・宮務主管が婚約内定を発表した。
同庁によると、高円宮家と出雲大社の祭祀(さいし)を担う千家家は元々家族ぐるみの付き合いをしていたが、07年4月、久子さまと典子さまが出雲大社参拝の際に国麿さんと初対面。当時、典子さまは学習院大在学中で、その後交際を深めて、結婚の話が自然と出るようになったという。
典子さまは1988年7月、高円宮さま(2002年急逝)と久子さまの次女として誕生。11年に学習院大文学部を卒業した。新年恒例の皇居・宮殿での歌会始の儀や赤坂御用地での園遊会などのほか、今年4月にはオバマ米大統領を迎えての宮中晩さん会にも出席した。
趣味は演劇やバレエなどの舞台芸術の鑑賞、読書など。学習院女子中・高等科では演劇部に所属し、年4回の公演もした。
国麿さんは出雲市出身。国学院大文学部卒業後、乃木神社(東京都)、石清水八幡宮(京都府)に勤め、05年に出雲大社に移った。趣味はバードウオッチング、カメラ。父尊祐(たかまさ)さん(71)は02年から出雲大社トップの宮司を務めている。【真鍋光之、古関俊樹】
【ことば】出雲大社
縁結びの神様として知られる大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祭る。本殿は1952年、国宝に指定された。神社建築の最も古い様式の一つ「大社造り」で、現在の本殿の高さは約24メートル。出雲大社の神事をつかさどる出雲国造(こくそう)は南北朝時代に千家、北島の両家に分かれ交代で務めたが、明治以降は千家家が務めている。現在の千家尊祐宮司は第84代出雲国造。昨年5月、「平成の大遷宮(せんぐう)」として60年ぶりの大規模改修を終えた本殿にご神体を戻す本殿遷座祭が営まれた。遷宮ブームで昨年の参拝客数は過去最高の804万人に達した。