労働時間規制緩和:対象職種明示へ 運転手や販売員は除外
毎日新聞 2014年05月27日 04時00分
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員が28日の会合で、安倍首相が導入を目指している一部の労働者の労働時間規制を外す新制度について、対象者の働き方を明示することが分かった。自分で仕事量や時間を管理できる企画部門の会社員などを対象にするが、工場作業員や店舗の販売員などは対象から外す。制度導入の議論で「長時間労働を生む」という批判が高まっているが、線引きを明確にして理解を得る考えだ。
民間議員の提案は、具体的な対象職種として、資産運用を行う銀行のファンドマネジャーや、メーカーで商品開発プロジェクトを管理する担当課長などに限定する方針だ。一方、対象外の職種は、トラック運転手や工場作業員、窓口業務の銀行員や百貨店・自動車などの販売員など。労働時間を自分で決められる職種と、そうでない職種をはっきりと例示することが目的の一つだ。
労働基準法では法定労働時間を「週40時間、1日8時間」と定め、これを超えた場合に残業代などを支払うことを企業側に義務づけている。4月の会合では、民間議員が一部の労働者で規制を外し、成果で評価する制度導入を提案。本人の同意を前提に、▽年収1000万円以上など高収入の社員▽子育てや親の介護のニーズのある高収入でない社員−−を挙げたが、「なし崩し的に対象が広がる」との懸念が出ていた。【小倉祥徳】