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» 2014年05月27日 08時47分 UPDATE

超深海の潜航能力と高い居住性 次世代の有人潜水船「しんかい12000」開発本格化、資源探査レースへ (1/3)

1万2000メートルまで潜航できる「しんかい12000」の開発構想が本格的に動き出す。深海底では近年、各国による資源探査の競争が激化しており、海洋研究開発機構は2023年ごろの運用開始を目指している。

[産経新聞]
産経新聞

超深海の資源探査に挑む

 世界最深の1万2000メートルまで潜航できる次世代の有人潜水船「しんかい12000」の開発構想が本格的に動き出す。海洋資源の宝庫である深海底では近年、各国による資源探査の競争が激化しており、海洋研究開発機構は2023年ごろの運用開始を目指している。(伊藤壽一郎)

小型でも快適

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 「世界最深部まで潜れる性能と高い居住性を実現し、より多くの研究者が長時間滞在できるようにしたい」。文部科学省とともに次世代有人潜水船の構想を検討している海洋機構の磯崎芳男海洋工学センター長は、こう話す。

 世界で最も深い海底は、小笠原諸島(東京都)の南東に延びるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(かいえん)(水深1万911メートル)。海洋機構の有人潜水船「しんかい6500」(潜航深度6500メートル)の2倍近い能力を実現すれば、前人未到の超深海が見えてくる。

 有人潜水船の心臓部は人が乗り込む部分を取り囲む球状の「圧力殻」だ。次世代船はこの内径を現行の2メートルより小さくして、高い水圧に耐えるようにする。海中では水深が10メートル増すごとに水圧が1気圧ずつ増える。水深1万2千メートルなら1201気圧で、1平方センチ当たり約1・2トンもの力がかかるため、圧力殻は少しでも小さい方がいい。

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