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 「二度とこのような事件を起こせない環境を作る」

 AKB48グループ前総支配人の戸賀崎智信カスタマーセンター長は26日、警備態勢を見直す考えを明らかにした。

 警視庁万世橋署も同日、AKB48の運営会社「AKS」(東京都千代田区)に、劇場の警備強化を要請。客がステージに乱入しないよう客席の1列目を空け、警備員を増やす▽金属探知機などを導入する▽公演後に行う客とメンバーとのハイタッチを自粛する――ことを求めた。

 AKB48の姉妹グループ「NMB48」「SKE48」「HKT48」は同日、拠点とする大阪市、名古屋市、福岡市でそれぞれ予定通り公演を開いた。金属探知機を導入するなどし、大きなトラブルはなかった。

 アイドルを身近に感じられる握手会という手法は、広く用いられている。

 「モーニング娘。’14」などが所属する芸能事務所「アップフロントプロモーション」は、握手会を今後も続けるかどうかの検討を始めた。握手会は主に新曲の販売促進イベントとして開き、心待ちにしているファンも多いという。

 以前から警備員を配置し、手のひらのチェックをしてきたが、担当者は「ファンとの親近感は大切にしたいが、対応は強化せざるを得ない。難しい問題だ」と話す。

 雑踏警備などに詳しい仙台大の田中智仁講師(犯罪社会学)は握手会の警備の難しさについて、身元を明かさないまま握手券のみでメンバーに接近、接触できる点にあるとみる。

 ただ、不特定多数に販売されるCDに付く握手券で身元を確認するのは困難。現実的な対策として、メンバーと客の間にアクリル板を設けて手を出して握手するようにする▽荷物は預かってボディーチェックを徹底する――などの方法を挙げた。田中講師は「いずれもコストがかかるが、事件が起きた以上、検討する必要がある」と話した。