挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
巻き込まれし者の成り上がり 作者:覇王クン

召喚

 
 突然だが俺は世界は弱肉強食で成り立っているのだと考える。

 どんなに生まれながらに平等だと平和主義者が言ったとしても絶対にどこか差別があるのだと思う。これは、生まれながらに天才的知能、運動神経、さらに何よりも吸収力に優れながらひたすらそれを隠してきた少年の物語である。




俺こと鈴木夏樹は、現在高校から放課後なので帰宅中である。
下駄箱で靴に履きかえながらこれまでの事を少し考えてみることにした。

 小学2年生の頃くらいだろうか。他の子と比べて自分が異常者だと気付いたのは
理由は母にいたずらでやらされた大学入試の問題だった。母は死んだ父に代わり1人で育ててくれていたので感謝していた。母は将来こんな問題やるんだよと知らせたかっただけなのかもしれない。小学2年の俺が大学入試の問題なんて無理な話だ。実際にその時、俺は1問も解けなかった。

 この時の俺は何だかんだ頑張り屋さんでものすごく悔しくってインターネットで検索しながら1問1問理解しながら自分の解き方に変えて3日でその大学入試の問題を解いてしまったのだ。母にそれを話した時だった。母は俺に対して今まで見せたことのないおびえた目で俺を見てきたのだ。

 それからは、孤独だった。これまでは、普通に話せていた友達がまた1人また1人と消えて行った。母も笑顔を装っていたがいつしか必要最低限な事しか話さなくなった。その時俺は1つの結論に達した。

『異常者は、自然に普通の人の中には入れないのだと』

 俺はそこで少し考えた。なら、『普通の人の皮を被ればいい』とそれから、俺はネットや雑誌にある。自然な笑顔の作り方、コミュニケーションの取り方全てを会得していつしか周りには小学2年の前と同じく人が戻ってきた。

 それからは、成績平凡運動神経平凡で顔は、平均よりは少しイケメン位をモットーに頑張ってきた。

すでにそれで高校2年生までそれで来ている。俺は皮を被ってからずっと憧れていたことがある。しかしそれは、どんなに俺が優れていても実現しないことだ。

『この世界で異常者が住めないなら別の世界に行きたい』

 それが、俺の憧れだった。そこだったら俺を理解してくれる人がいるかもしれないと。
どうせ異世界なんて無理だなとため息をつきながら校門を出た時だった。

--やべ、明日テストの教科書とノート忘れちまった。

 正直教科書やノートがなくても高校生の内容位どうとでもなるのだが、なんとなく取りに行った方がいいような気がして気分に任せて取りに行くことにした。それが俺のこれからの人生を変えるとも知らずに。




 それは、教室に入ってからだった。そこには、キスをしようとしてる2人がいた。クラスメイトの井上一樹と清水久美だった。井上一樹は、スポーツ万能勉強はいつも学年でトップ10に入っており何よりも全てを魅了する笑顔で告白する人は、絶えないという。容姿も黒い髪と整った顔で学年でトップを争うような容姿をしている。それに対して清水久美は成績平凡、勉強平凡、体はモデル並みで出るところは出て細いところは細いみたいな感じだ。容姿は黒髪のロングでクリッとした目は優しげで容姿だけだったらクラスの中で1番いいのかもしれない。

--だが、見事に釣り合ってないな…まあ、俺には関係ないが

 とりあえず、黒板の所でキスをしようとしているみたいだったので後ろの扉を少しずつ開けて教科書とノートを机の中から取って退散しようとしている時だった。

前のキスをしようとしている2人の前の扉が空いたのだ。

「お?わりーわりー」

 金髪でちゃらそうな人物が扉を開けてやってきた。クラスメイトの兵藤明だ。金髪でチャラそうな人物だがコミュニケーション能力が高いのかいつも

「おい、明空気を読めよな」

「まあまあ、俺はすぐにたいさんしますから…お?」

 しまった。見つかってしまったみたいだ。お願いだから話しかけるなよと願っていたのだが、それは見事に破られてしまった。

「えーと君はだれだっけ?」

 正直名前ぐらいは覚えてろよ。金髪のヤンキーやろーがと考えていたがそれを出してしまうとこれまでの成果が一瞬で消滅してしまうのでやめておくことにした。目立たず目立たずと考えながら自然な感じで返事をした。

「クラスメイトの名前ぐらい覚えていろよな鈴木夏樹だ」

「鈴木夏樹、夏樹ねえ」

 なぜか、俺の顔を見ながら俺の名前を繰り返して正直不気味だった。なぜ、こっちを見るのか聞いてみようとした時だった。今度は俺の出ようとした後ろの扉を開けて誰かが入ってきた。

「ん?お客さんいた?」

「みたいだね」

 2人の女の子がはいってきた。1人は青木理沙と言って運動神経に優れていて確かこの前も陸上の部活で賞を取ったみたいだ。体つきは小柄で容姿はボーイッシュの髪で男みたいなしゃべり方で結構告白もされてるみたいだ。もう1人は、青木理恵と言って理沙の運動が苦手で勉強が学年トップ5くらいで男性恐怖症みたいだ。

 なぜ、俺がそんなどうでもいいことや名前を憶えているのかと言うとまずは、何よりも情報を知らなければ何もできないと俺は考えているからだ。


「ねえ、理恵聞こえた?」

「う、うん」

--何の話をしてるんだ?

気が付くと教室の全体にゲームで見た大きな魔方陣みたいなのができていた。

「逃げるぞ!」

俺以外は頷いて教室から出ようとしてその場から6人は消えた。




目を開けると神官たちが「やったぞ」「成功だ!」と喜んでいた。ボーと眺めていたら1人の女の子が現れた。

「よ、ようこそ、勇者様異世界へようこそでしゅ」

噛んだみたいで痛そうにしていた。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
― 感想を書く ―
感想を書く場合はログインしてください。
― お薦めレビューを書く ―
レビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
▲ページの上部へ