富士フイルムは5月12日、高い抗酸化力を有することで知られる成分「アスタキサンチン」と「亜鉛」を同時に摂取すると、睡眠を司る視床下部の変動遺伝子数が増加することをマウスを用いた研究にて発見したと発表した。
同成果は同社ならびに神奈川科学技術アカデミー、東京大学の阿部啓子 教授らによるもの。詳細は年7月3日から開催される「第39回 日本睡眠学会定期学術集会」にて発表される予定。
これまで同社は研究により、抗酸化作用をはじめ、眼精疲労の回復や、肌の保湿力の向上に関わる作用があるとされる「アスタキサンチン」と、活性酸素除去酵素などの構成成分である「亜鉛」を同時に摂取することで、高い睡眠改善効果が得られることを報告していたが、そのメカニズムについては不明のままであった。
そこで今回の研究では、このメカニズムの解明に挑んだという。具体的には、生後8週齢のマウスを10日間の予備飼育後、「マウスの体重1kgあたりアスタキサンチン49.5mg+亜鉛82.5mg投与群」と「対照群(水投与)」に分け、投与前と経口投与2時間後に視床下部を含む脳各部位を回収、視床下部からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いて、変動遺伝子の解析を行ったという。
その結果、アスタキサンチンと亜鉛を摂取させると、摂取2時間後に視床下部で変動した遺伝子は1,256あること、ならびに対照群では変動遺伝子数は37にとどまることが確認されたことから、研究グループでは、アスタキサンチンと亜鉛摂取により、視床下部の遺伝子の働きが大きく変化している可能性が示唆されたとし、アスタキサンチンと亜鉛が睡眠中枢や覚醒中枢に作用している可能性が示されたとする。
なお同社では、今後もアスタキサンチンと亜鉛による睡眠改善メカニズムの解明を行っていくとするほか、各成分の健康増進機能の解明と新たな応用を進めていく予定としている。
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