男の魂に火をつけろ！

• 1925年9月：日本映画最初期の女優のひとりである中山歌子邸で、姪でオペラ歌手の中山愛子ら３人（愛子の内縁の夫、歌子の養女）が殺害された。逮捕された男はいったん自白したものの公判では否認に転じ、判決前に病死。のちに、別の一家殺害事件で逮捕された男２人組が、こちらの一家殺害も自供し、冤罪事件だったことが判明。金目当ての犯行であった。
• 1937年11月：俳優の林長二郎が松竹から東宝へ移籍し、「忘恩の徒」と大バッシングを浴びていたその渦中、暴漢２人組が刃物で林を襲撃し、左ほほを貫通する重傷を負わせた。松竹による報復が噂された。林はこの事件を機に、芸名を本名の長谷川一夫に改名した。
• 1946年3月：歌舞伎役者の十二代目片岡仁左衛門一家（妻、三男、女中２人）が、住み込みで働いていた座付き作家見習いの男に薪割り用の斧で殺害された。食料事情の悪い時代で、食事を満足に与えられなかったことを恨んでの犯行であった。
• 1953年1月：俳優の鶴田浩二が、山口組組員の山本健一にウイスキー瓶やレンガで殴打され、頭と手に11針縫う重傷を負う。鶴田は前年に田岡一雄組長の提案した興行への出演を断っており、その報復といわれている。
• 1955年7月：人気ボードビリアンであるトニー谷の、６歳の長男が身代金目的で誘拐される。当時は報道協定がなかったためマスコミの報道は過熱し、話題作りの狂言誘拐という説もあった。犯人は逮捕され息子は無事だったが、「トニー谷の人を小バカにした芸風に腹が立った」という供述のため、世論はトニー谷への批判的論調が支配的となり、トニーの人気は凋落した。
• 1957年1月：浅草の国際劇場で舞台に立っていた美空ひばりが、客席から舞台に乱入してきた19歳の女性客に塩酸をかけられる。犯人はひばりの熱狂的なファンで、手帳に「塩酸をかけてみにくくなった顔をみたい」と書いていた。ひばりは上半身にやけどを負ったが回復は早く、２週間ほど後には舞台に復帰した。
• 1963年8月：女優の吉永小百合宅に拳銃を持った男が押し入り、小百合と家族は避難して無事だったが駆けつけた警官が撃たれて負傷した。犯人は小百合の身体に自分の名前を刺青しようと計画しており、そのための道具も持参していた。
• 1963年12月：赤坂のクラブにてプロレスラーの力道山光浩が暴力団員の村田勝志と口論になり、登山ナイフで腹を刺される。当初は経過良好と伝えられたが、７日後に容体が急変して死亡。背景には力道山と暴力団の関わりや、朝鮮半島情勢の影響もうかがわれる、現在に至るも謎の多い事件であった。
• 1964年8月：俳優の高島忠夫・寿美花代夫妻の長男（生後５カ月）が風呂に沈められ殺害される。住み込みで働いていたメイドが、長男が生まれてから疎遠に扱われるようになったと思い込んでの犯行であった。
• 1966年5月：鳥取県倉吉市で公演中だったこまどり姉妹の舞台に、１８歳の男が乱入して、葉子の腹部を包丁で刺し重傷を負わせた。男は栄子の熱狂的ファンで、結婚を望んでいたが相手にされず、無理心中を図っての凶行だったが、刺した相手は葉子のほうであった。
• 1973年11月：女優の倍賞美津子と、夫でプロレスラーのアントニオ猪木が新宿のデパートで買い物をしていたところ、店の前で悪役レスラーのタイガー・ジェット・シンら数名に襲撃され、猪木が手に怪我を負う。四谷警察署は、「本当の暴力事件ならシンを逮捕するから被害届を出せ。やらせなら道路の無許可使用で新日本プロレスを処罰する」と厳しい対応を取り、さすがの猪木も平謝りとなった。
• 1974年8月：俳優の津川雅彦・朝丘雪路夫妻の長女である真由子が誘拐され、身代金を要求される。当時導入されたばかりだったキャッシュディスペンサーを使っての振り込み要求という初の事例でもあり、注目を浴びた。犯人は逮捕され、無事に保護された真由子は成人後に女優として活躍している。
• 1974年9月：アイドル歌手の風吹ジュンが、テレビ番組終了後にマネージャーともども車で連れ去られ、パトカー２０台が出動する騒ぎとなる。このとき風吹は芸能事務所三社と三重契約状態にあり、そのトラブルのため暴力団関係者が関わってこの騒動となった。刑事事件には至らなかったが、風吹にとっては痛いスキャンダルとなった。
• 1975年4月：石ノ森章太郎原作のドラマ『好き! すき!! 魔女先生』の主演で知られる女優の菊容子が、ストーカーとなった元交際相手の男に絞殺される。
• 1977年7月：人気アイドル歌手の岡田奈々が自室で就寝中、見知らぬ男が侵入し、ナイフで切りつけて両手に30針縫う重傷を負わせる。犯人は朝まで居座って逃走し、未解決のまま時効。マスコミは「清純派アイドルが男に暴行された」と書き立て、二次被害も深刻な事件であった。
• 1982年2月：アントニオ猪木とマネージャーの新間寿が、劇画原作者の梶原一騎と空手関係者、暴力団関係者によりホテルの一室に監禁され、拳銃で脅された。猪木による空手流派の立ち上げやタイガーマスクの版権料など、両者は多くのトラブルを抱えていた。
• 1983年3月：松田聖子が沖縄市で開催したコンサートで、客席にいた男がステージに乱入し、長さ３０ｃｍほどの工具で聖子に殴りかかる。そのとき、ちょうど歌番組用にテレビ収録されていたため、この模様はワイドショーで繰り返し放送され、お茶の間に衝撃を与えた。
• 1984年4月：「欽ちゃんのどこまでやるの！？」の番組内ユニット「わらべ」で人気メンバーだった倉沢淳美がソロデビューし、札幌市でサイン会を開催したが、サイン終了後にファンと握手して見送っていたところ、参加していた２６歳の男から突然刃物で切りつけられ、右手首に約６ｃｍの切り傷を負う。犯人は警察の調べに「生意気だから切った」と供述した。
• 1987年9月：ものまねタレントの佐々木つとむが、同棲していた愛人の女性に刺殺される。佐々木のDVに耐えかねての犯行と見られ、女性は２日後に自殺しているのが発見された。
• 1989年10月：参議院議員に当選したばかりのアントニオ猪木が、いわき市で講演中、暴漢に刃物で切りつけられて頸部などに負傷。会場が騒然となる中、傷口をタオルで押さえて講演を最後まで続けた。
• 1992年1月：女優の山口智子の自宅に、宅配業者を装った男２人組が侵入。山口を暴行しようとしたが、交際していた唐沢寿明に撃退されて逃走した。この事件により、ふたりの交際が明るみに出て、1995年に結婚した。
• 1992年8月：漫才師の横山やすしが自宅前で何者かに暴行され、一時は言語障害となるほどの重傷を負う。犯人は不明のまま時効が成立したが、やすしの私生活に起因するさまざまのトラブルが取沙汰された。
• 1995年6月：アイドル歌手で女優の田村英里子が、イベント出演のため宿泊していた豊橋市内のホテルの部屋に、男が侵入。田村が悲鳴を上げたため逃げ出したが、取り押さえられた。男はホテルの従業員で、合いカギを使っての犯行だった。
• 1995年6月：羽田発函館行きの全日空機が、液体入りのビニール袋を持った男にハイジャックされる。男はオウム真理教信者を名乗り、麻原彰晃の釈放を求めたためマスコミは騒然となったが、無関係な男による妄想的犯行であった。この機には、歌手の加藤登紀子とバンドメンバーが、北海道公演に向かうため搭乗していた。
• 1996年2月：歌手で女優の畠田理恵が、東京駅八重洲口でホームレスの男に腰のあたりを蹴られ、救急車で搬送される。
• 2002年10月：人気AV女優の桃井望が、炎上する車のそばで死亡しているのが見つかる。車内では交際相手の男性が死亡していた。警察はこの男性による無理心中として捜査したが、状況証拠からは第三者による殺人事件の疑いも濃く、謎の多い事件として今も関心を集めている。
• 2001年6月：バドミントンの元オリンピック代表でスポーツキャスターの、陣内貴美子の自宅に強盗が侵入。陣内と、夫の金石昭人により取り押さえられたが、陣内は右手に２週間の負傷。
• 1999年ごろから、インターネットの匿名掲示板において「お笑いタレントのスマイリーキクチが殺人事件に関与していた」という書き込みが相次ぐ。事実無根と否定しても中傷書き込みはやまず、警察の生活安全課に相談しても相手にされなかったため、2008年に刑事告訴。19人が検挙される大事件となったが、一部ではその後もキクチへの中傷が続いた。
• 2010年2月：グラビアアイドルの有川知里が、撮影に行ったグアテマラでバスに乗っていたところ、バスが強盗とみられる武装集団に襲撃され、銃で撃たれる。有川とスタッフに怪我はなかったが、現地の乗客が軽傷を負ったもよう。
• 2010年8月：歌手の鬼束ちひろが、同棲していた男に自宅で殴られて重傷を負う。逮捕された男とは２週間前に知り合ったばかりで、鬼束の無軌道な私生活も話題となった。
• 2010年11月：歌舞伎役者の十一代目市川海老蔵が、西麻布のバーで元暴走族メンバーの男に暴行を受け、顔面骨折の重傷。半グレ集団の恐ろしさとともに、海老蔵の素行の悪さも明るみに出ることとなった。
• 2013年6月：池袋の映画館で開催された、アニメ『超次元ゲイム　ネプテューヌ』の上映イベントにバールを持った男が乱入し、登壇していた声優の田中理恵に危害を加えようとしてその場で取り押さえられた。田中は山寺宏一との結婚を発表したばかりだった。
• 2014年3月：声優で歌手の田村ゆかりが大阪でコンサートを開催したが、客席にいた男がステージに向かって携帯ラジオを投げつけ、会場が騒然となったためコンサートは仕切り直しとなった。威力業務妨害の現行犯で逮捕された男は「田村さんのファンで気持ちを断ち切りたかった」と供述し、田村の独特の芸風とあいまって世間に衝撃を与えた。
• 2014年5月25日：岩手県滝沢市で開催されたAKB48の握手会で、24歳の男が折りたたみ式ノコギリでメンバーに襲い掛かり、川栄李奈と入山杏奈、それにスタッフの男性が指の骨を折るなどの怪我を負った。

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