グーグルグラス:広島の平和記念公園で実証実験
毎日新聞 2014年05月26日 21時19分(最終更新 05月26日 21時32分)
総務省中国総合通信局は26日、広島市の平和記念公園で、米グーグルの眼鏡型情報端末「グーグルグラス」を活用した観光情報提供の実証試験をした。端末を眼鏡のように装着すると、名所や史跡の紹介文や、そこまでの道案内が目の前の小さな画面に表示される機能があり、屋外での実験は国内で初めてという。
グーグルグラスはインターネットに接続でき、右目前にある小さなディスプレーに文字や映像などの情報が表示される。端末の側面をタッチしたり、なぞったりするだけで操作できる。
実験は同通信局と、中国地方の自治体などでつくる「山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会」が実施。平和記念公園内で専用アプリを立ち上げると、グラスの前面にあるカメラで捉えた原爆ドームなどの映像に、インターネット上の情報が重なって表示されていた。また、ある方向に視線を向けると、その先にある複数の観光名所などの情報がグラスに映し出され、操作次第で一つ一つの詳細な情報が得られる。
同協議会会長の相原玲二・広島大教授(情報工学専攻)は「観光地の案内板や説明板は、景観を損ねることもある」とグーグルグラスの有効性を強調し、「最先端技術を通じて観光活性化に役立てたい」と話した。【吉村周平】