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堕ちた勇者の英雄伝 作者:覇王クン

堕ちた勇者の始まり(0話)

初心者です。

12年前バルキス城でかつてないほどの絶望が俺を襲った。

バルキス城--それは、俺こと田中龍之介が15年前に勇者召喚されたバルキス王国の城だ。
召喚されて少し城の修練上で特訓したらすぐに俺は、バルキス王国の第1王女のシルフィ、召喚されてから剣の使い方を教えてくれて親友となった剣士のジークの3人で旅に出ることになった。

旅の目的は魔王を倒す事だった。

旅の途中で様々なモンスターや魔物や魔族と戦うことになったが剣士に教えてもらった剣や旅の途中で仲間になった魔法使いに教えてもらった魔法で何とか戦う事ができた。
その時よく思っていた事がある。

--ああ、俺は皆に助けてもらっている
のだと

そしてとうとう魔王の胸に聖剣を刺して、最後に魔王はこう言って消えて行った。

『余を倒した貴様を永遠の呪いにかけてやるぞ』

その時俺は最後の苦し紛れだとスル―してしまった。
今でも思う。あの時俺が少しでもほんの少しでも魔王の言ったことを考えていればあの絶望は起きなかったのかもしれないと。

それは、シルフィと俺の結婚式の時の話だ。
魔王を倒した俺はバルキス城では勇者として崇められ王から娘である王女と結婚する権利をもらえたのだ。
実はシルフィと俺は旅先で恋人にまで発展しており喜んで俺と王女は頷いた。

結婚式場は周りにたくさんの人がいる中心には魔法で光る道がありその先に扉がありその逆に神父がいる感じになっている。
このバルキス王国の結婚式では聖堂に神父に結婚相手の男性の名前を呼ばれたら扉を開けて奥にいる神父の横まで行くのだ。その後に神父が女性の名前を呼び男性とは逆の向きに女性が行き男性と女性が向き合い誓いのキスをするのが基本となっている。

事前にその事を調べておいた俺は基本通り名前を呼ばれたので神父の隣に行ったのだが、女性の名前を呼ばれたのでシルフィが来るはずなのだが1度、2度、3度と呼ばれても来なかったので王が指示して誰かが扉を開けてシルフィを探しに行ったみたいだった。

しばらくして扉が空いたのでやっと王女は来たのかと安堵の溜息を着いた。だが、王女の姿に思わず唖然としてしまった。

なぜなら王女は美しかった水色の髪は血に染まり真っ白なドレスも血に染まりきれいな肌も血で染まりと血だらけだったのだ。そして何よりも剣を持ちながら「ニヤリ」と笑っていて普段のシルフィからは、絶対に考えられない顔をしていた。

そしてシルフィは口を開いた。

『勇者よ余はお前に地獄を与えに来た』

俺はその言葉で間違いないと思ってしまった。
その声は俺たちが倒した魔王の声だったのだから

「貴様の声がなぜ王女の口から出ている」

周りの騎士は、シルフィを囲みながら相手が王女だったので剣を向けていいのか分からずにしていたのだが

「騎士たちにつぐ王女を止めるのだ!」

王がそう騎士たちに命令して騎士たちは大勢で畳みかかった。
しかしシルフィは冒険で得た剣技とは、どこか違う剣の型で騎士たちの体を斬っていたのだ。


『余は体が死ぬ間際お前に2つの呪いをかけた
1つ:不老不死の呪い
2つ:お主が愛したこの女性の体を余がもらう
という呪いだ』

そう話しながらもシルフィは自分の国の人を笑いながら斬っていた。

やめろ!やめてくれ。
最愛の人が笑いながら人を斬っている姿にとてもじゃないが耐えられなかった。

『愉快だ。余を倒した勇者が余を見ておびえている。これほど愉快なことがあるだろうか!ハハハハ』

お願いだ。やめてくれ!シルフィの顔ででそんな下品に笑わないでくれ!シルフィの体を汚さないでくれ!

『ありがたく、この体を使わせてもらおうか。ついでに不老不死という呪いもかけた。うれしいだろう?ハハハハ』

不老不死--錬金術師たちの目的の1つであり不可能に近い錬金術
だが、俺にとっては地獄でしかない。不老不死は逆に言えば死にたくても死ねないのだから


「俺はお前を絶対に許さないぞ!」
『斬れるのか?お前のもっとも愛した人を』

怖い、斬りたくない、これが夢で合ってほしい。
しかしどんなに見直しても夢から覚めることはなかった。

『では、さらばだ』

王女はその場から立ち去ろうとした。

--シルフィおれは、どうしたらいいんだ。

地面に顔を向け唇を強く噛んでいる時だった。

「わ…しを…し」

え?と声のする方を見たら王女が歩くのをやめていた。よく見ると足がビクビク震えていた。

「お願い私を殺して」

涙溢れる顔でこっちを見てきた。

『貴様!まだ、自我が残っていたのか!』

シルフィは頭を抱えながらふらふらしていた。

「私の自我があるうちにお願い」
「俺は君を殺したくない」

涙が目から溢れながらも殺したくないと訴えてもシルフィは首を横に振った。

「私を殺してくれなかったら私のせいで泣く人が出てくるかもしれない。だからお願い殺して!」

最愛の人の願いをかなえてあげたい。でも、感情が殺したくないと言っていた。
剣を持ちながら震えていたら

「リュウノスケ私あなたの事何よりも大好きだったよ。ぐっ、お願い!リュウノスケ!」

「うわあああああ」

剣をシルフィの胸に突き刺した。

「ありがとう。リュウノスケ」

シルフィの体から力が抜けて行った。
黒い塊が王女の体から出てきた。

『くそ女が!よくも邪魔したな!だが、これで終わったと思うなよ!…また会おう』

黒い塊は、どこかに飛び去って行った。

空に飛んでいく黒い塊を見つめシルフィの死体を抱えながら
ねえ、シルフィ君がいないのに俺はこれからどうやって生きていけばいいんだ。



これは、後に『真っ赤な結婚式』と呼ばれることになる。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
時が経ち12年後

ここは、バルキス王都の隣にあるドルファンと呼ばれる町のある酒場での出来事だった。
その酒場に青のローブをまとった人物がその酒場にやってきたのだ。
普通はそんな人物が店に入ってきたら怪しむものだが、この酒場では、顔を見せることのできない人物が普通に入ってくるのでお金さえ渡せばスル―してくれるのだ。

その人物はマスターの前の多数ある内の1つの椅子に座った。

「ゲテモールを頼む」

「え?か、かしこまりました!」

マスターが驚いたのも無理はないゲテモールは好き好んで飲むものではないからだ。

ゲテモールをマスターからもらい飲んでいたら

「おい、聞いたか」
「ああ、バルキスの国王がまた戦争をするみたいだな」

噂では、シルフィが死に俺があのバルキス城から立ち去り1年後くらいに突然今まで戦争を嫌ったバルキスの国王が近くの小国に戦争を仕掛けたと風のうわさで聞いた。

「しかも、今度はあの大国フォルベルト帝国に戦争を仕掛けるみたいだぜ」
「ああ、せっかく12年前まではバルキス王国も平和だったのに今では国税は上がり払えないものは、奴隷にされてるみたいだぜ」

「ひでえな。がははは」

男2人は、笑いながら話しているようだった。

「マスター金は置いておく」

「あ、ああ」

その酒場から立ち去った。




どうするかねえ、これから
正直金も尽きかけてまた何か依頼でも受けようかなと考えている時だった。

「は、放してください!」
「いいじゃねえか、姉ちゃんデートしようぜ」
「そうだぜ」
柄の悪そうな男2人が女性1人に付きまとっているようだった。
周りの人は近づかないようにして関わらないようにしているみたいだった。
それが、正しいこと俺も思った。めんどくさいこと特に自分に関係ないことまで背負う必要なんてあるわけがないからだ。
あるとしたら英雄、勇者、それか馬鹿だけだ。

俺も他と同じように立ち去ろうとした時だった。

「へへへ、俺たちに逆らったら『黒を纏いし聖剣使い』がお前を殺しにやってくるぜ」
「そういうことだ。俺たちの上には、2つな持ちのしかも『黒を纏いし聖剣使い』がいるんだからな」

男2人は、下品に笑いながらその女性の手を掴もうとした時だった。

掴もうとした手に向けて風の槍が飛んできた。

「なんだあこれは?」
「誰だこれを出したのは!」

「俺だ」

返事をしてやったら機嫌が悪そうな顔でこっちに2人やってきた。

「おみゃあさんよ、何やってくれるんだ」

男の1人が殴りかかってきた。

「…遅い」

そうつぶやき、つかさず殴りかかってきた男に向けてカウンターで腹にパンチを食らわした。

「うっ」

腹を抱えながら1人ダウンした。

「おめえ、何もんだ」

手に剣を具現化させた。
その剣は美しい光を放ちながら俺の手に収まった。

「まさか、おめえ、勇者か!」

「それ以外にいただろ。さっきお前が話していた」

「ま、まさか『黒を纏いし聖剣使い』か」

男は俺に指を指しながら震わせていた。

「そういうわけだ。」

剣を消して男が気付いた時には前にいて前の男のようにパンチを食らわした。

「がは」

同じように腹を抱えてダウンした。


ざわざわ
こっちを見ながら何か話しているようだった。

「あ、あの~」

「どうした?」

話しかけてきたのは、さっき手を掴まれそうだった女性だった。

「お礼をしたいのでついてきてもらえませんか?」

「別にお礼を言われる必要はない。俺はただ、俺の恥ずかしい二つ名を叫んでる馬鹿がいたから懲らしめただけだ」

だから、俺は断じて馬鹿ではない。

少女はくすくす笑っていた。

「何か変なことでもあったのか?」

「す、すいません。顔を真っ赤にさせて少しかわいいなあ、なんて。はっ!すいません恩人に向かって」

「いや、だから俺は恩人というわけでは…」

「いえ、理由はどうあれ助かったので恩人です。ですからついてきてください」

女性は俺と手をつないで歩いて行った。

--まだ、返事してないんだが

なぜか、言おうにも言えない雰囲気だった。

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