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 地下埋設型の近代下水道として、国内で初めて日本人が造った神田下水(東京都千代田区)が26日、着工130周年を記念して報道陣に公開された。今も現役で、水が流れる施設内で作業員がれんがをハンマーでたたき、異常がないか点検した。

 公開されたのはJR神田駅近くの地中を南北に走る614メートル。れんが積みで、断面はゴミがたまりにくい卵形になっている。1882年、当時の東京府内で5千人以上がコレラで死亡したため、明治政府が衛生状態を改善しようと約4キロ整備した。一部が現存し、都の文化財に指定されている。

 現在、都が管理する23区内の下水道約1万6千キロのほとんどはコンクリートか樹脂製だ。1964年東京五輪の前に急速に整備が進み、年100キロ以上延伸したという。耐用年数の50年を超えた老朽管が約1500キロあり、2033年度までに6500キロを改修する。(後藤遼太)