津軽海峡フェリー:座礁事故を想定し訓練 安全をアピール
毎日新聞 2014年05月26日 15時51分(最終更新 05月26日 16時43分)
津軽海峡フェリー(北海道函館市)は26日、函館−大間(青森県大間町)間を結ぶフェリー「大函丸」が航行中に座礁事故を起こしたと想定した危機管理訓練を函館港で行った。4月に韓国で旅客船「セウォル号」が転覆・沈没した事故以降、消費者が船旅の安全性を不安視しているため、同社は安全・安心をアピールしている。
津軽海峡フェリーは危機管理訓練を毎年行っているが、今回は函館海上保安部、北海道運輸局函館運輸支局も参加し、事故時の情報伝達手順などを確認した。
訓練は、大函丸が旅客と車を載せて大間に向けて航行中、突然、電源喪失(ブラックアウト)状態に陥り航行不能になり、座礁して転覆の恐れが出たと想定。乗客役の社員に救命胴衣を着用させて誘導したり、救命いかだと脱出用シューターを海に投げ入れて実際に広げるなど、社員らは緊迫した表情で訓練に臨んだ。
石丸周象(しゅうぞう)社長は「(韓国船事故後)旅行会社を通じて修学旅行生の親から『大丈夫か』という問い合わせが来ている。安全な旅ができるとPRしていきたい」と話した。【鈴木勝一】