「冷たッ!」みたらし祭『足つけ神事』で夏を迎えよう〜京都下鴨神社

記事作成日:2014/05/26 15:38:36 │ 最終更新日:2014/05/26 16:53:56

京都の祭と言えば「祇園祭」「葵祭」「時代祭」など、”見て楽しむ祭”が多いのはご存じかと思います。しかし、誰でも参加でき、京都らしい風情を味わうことができる祭もちゃんとあるのです。そこでご紹介するのが世界遺産・下鴨神社で行われる「みたらし祭」。別名「足つけ神事」とも呼ばれ、無病息災を願う人々で毎年賑わうこの祭は京都の夏の風物詩でもあるのです!

世界遺産で「足つけ神事」を楽しもう

写真:bow

今回ご紹介するのは毎年7月の「土用の丑の日」前後4日間において行われる、世界遺産・下鴨神社の「みたらし祭」です。これは、平安時代の貴族が季節の変わり目に禊をして罪や穢れを祓っていたものが庶民に伝わり、現在の「みたらし祭」の形として伝わっているものなのです。

この「みたらし祭」は、下鴨神社の御手洗池に足を浸して無病息災を願うことから別名「足つけ神事」とも言われています。”御手洗”だけど、足をつけるというのは日本語として少し変ですけど、そこは気にせずに「足つけ神事」の順路を追ってご説明!

神池・御手洗池へと向かう

写真:bow

まずは境内の受付を目指しましょう。恐らく行列ができているので、その最後尾に並んで順番を待ちます。受付でお供え料200円をおさめ、ロウソクを受け取ります。この時点で靴は脱ぐことになりますので、脱ぎやすい靴を履いていくことをおすすめ。靴とロウソクを手に持ち、御手洗池へと向かいます。

御手洗池にかかる輪橋の真下からいよいよ水の中へ。このあたりでは「冷たい!」の声がそこらじゅうで上がってることでしょう。真夏とはいえ、この御手洗池は地下から湧き出る20℃以下の冷水が流れているのです。その冷たさに心身共に”清められている”ことを体感していただけるかと思います。

なお、御手洗池は大人の膝くらいまで浸かる水深があります。お子様連れの方は気を付けてください。

ロウソクを祭壇に供えましょう

写真:bow

池の中を進み、種火のある小さな祠があるのでそこでロウソクに火を灯しましょう。そのままロウソクを手に持ち、火を消さないように水の中を進み、最終地点の御手洗社(井上社)前の祭壇にロウソクを献灯、そして無病息災を願いましょう。ここに祀られている瀬織津比売命(せおりつひめおみこと)は罪、穢れを祓ってくれる神様ですのでしっかりお祈りを!

祭壇前は夕刻以降になると幻想的な風景が広がります。まさに”神事”に参加している気分に浸れることでしょう。

ご神水もいただき、身体の中からもお清め!

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祭壇にロウソクをお供えし、池から上がったところではご神水をいただくことができます。背筋が伸びる冷たさのご神水をいただき、身も心もお清め完了!この水は無病息災、延命長寿に霊験あらたかだとか。

ちなみにこのご神水をいただく器は「鴨のくぼて」と呼ばれる鴨葵の紋が描かれた器。実は下鴨神社の糺の森で出土した、神前にお供え物を盛る窪手(くぼて)を模して造られたものなのです。可愛くてセンスもいいのでついつい欲しくなった方は、ちゃんと売られていますのでゲットしてみて下さい!「鴨のくぼて」は800円です。

発祥の地でいただくみたらし団子!

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さて、無事「足つけ神事」を終えたら小腹を満たしましょう。ぜひとも食べたいのが「みたらし団子」です。なんと、この下鴨神社はみたらし団子発祥の地でもあったのです!みたらし団子は御手洗池から出てくる泡を形どったのだとか!

おすすめは下鴨神社からほど近い「加茂みたらし茶屋」。みたらし団子は串に5個。これは人間の身体・五体を表しているとされているんです。だから、1個は頭を表しているので離れて刺さっています。昔は夏越の行事に使う人形(ひとがた)のように神前に供え、ご祈祷を受けた後に家に持ち帰って食べたそうです。まさに古式にのっとった神事の最後にふさわしい甘味!足つけ神事を終えたら、焼き立てのみたらし団子をいただいてホッと一息つきましょう!

みたらし祭を上手に楽しむコツ

さて、「みたらし祭」を上手に楽しむ為には、まず服装。靴を脱がなくてはいけないので脱ぎやすい靴と、膝上までまくり上げやすい服装がベター。

そして、重要なのは”いつ行くか”という点です。この「みたらし祭」は4日間の日程があるのですが、実は連日早朝から深夜まで行われているのです。朝はなんと5:30から夜は22:00まで!夕方以降は下鴨神社の長い参道沿いにたくさんの露店が並ぶのでお祭ムードを味わいたいなら夕方から夜がいいでしょう。ただし、週末に近い日程を中心に夜の混雑はかなりのものになります。「足つけ神事」に辿りつくまで1時間以上並ぶことも。祭ムードよりも神事中心に考えているのならば早朝や午前中がおすすめ!混雑は皆無といってもいいでしょう。

なお、日程は毎年「土用の丑の日」に合わせて変わりますので、詳細は公式ホームページをご参考に。なかなか観光客には馴染みの薄い「みたらし祭」ですが、京都でも一度体験して欲しい祭の一つ!この夏訪れてみてはいかがでしょうか?

■2014年度の開催時期
2014年7月26日(土)〜29日(火)の4日間です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/20−2013/07/21 訪問

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京都生まれ、京都育ちの生粋の京都人です。仕事で全国を飛び回り、京都の良さを再認識したため、京都の観光に携わる仕事をしている普通のサラリーマンです。

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