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シリーズ・日本のアジェンダ 「憲法改正」でどう変わる?日本と日本人
【第2回】 2013年7月26日
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ダイヤモンド・オンライン編集部

権力者はやりたい放題、国民の義務ばかりが増える
日本人が知らない自民党憲法改正案の意義とリスク
――小林節・慶應義塾大学法学部教授に聞く

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 自民党の言い分はこうです。

 「この世の中は最近、親殺しや子殺しなど、変な事件が多すぎる。これは社会の絆が崩れている証拠だ。それはなぜかと言うと、日本国憲法が個人主義だったから。よって、一番大きな社会である国家と、一番小さな社会である家庭を尊重するよう、国民を教育し直さなければならない」

 確かに、私も日本や家族を愛しているし、愛すべきだとは思います。しかし、それらを愛するかどうかはあくまで個人の道徳的な問題であり、国が憲法でそれを強制することは、憲法の定める思想・良心の自由に反します。

「家族仲良し法」ができて
仲の悪い夫婦が罰せられる

――たとえば、「家族を尊重する」という義務にはどんなリスクがあるのですか。

 たとえば結婚です。結婚は、人生で一番大事な契約の1つでありながら、男女が頭に血が上り、勢いでしてしまうケースが多い。だから、結婚後に全体の2~3割の夫婦が離婚を選ぶ。これはいいも悪いもなく、人間としての自然現象です。だからこそ、民法には結婚と離婚に関する規定が対等に書かれています。

 ところが、最高法規の憲法で「家族は仲良くしなさい」と書かれたら、それを具体化する法律の1つとして、「家族仲良し法」などがつくられ、国民が離婚をしたくてもできない状況になる可能性がある。ヘタな話、離婚寸前の夫婦には、お互いを憎しみ合い、相手を殺したいと思っている人もいるでしょう。

 しかし子どもが、ケンカの絶えない両親を見て、「パパとママの仲が悪いのはイヤだ! そうだ、家族仲良し法というのがあるぞ」と考え、お巡りさんに助けを求めにいったらどうなりますか。その夫婦は、法律違反で罰せられてしまう。冗談みたいな話ですが、そういうことが現実に起こり得るのです。

 この例を見ても、自民党の改正案は「法は道徳に踏み込まず」という世界の常識を逸脱している。自民党で憲法論議をしている人たちは、教養がないのではないかと疑ってしまいますね。彼らに追随する一部の御用学者もいけません。

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いまの日本の経済、政治、社会が直面している旬のテーマを取り上げ、各分野の専門家に賛成・反対の立場から記事や論考を寄せていただき、議論を深めていく「シリーズ・日本のアジェンダ」。このシリーズでは、自民党が中心となって進められている「憲法改正論議」を取り上げ、なぜ憲法を改正する必要があるのか、憲法改正によって日本人の生活はどう変わるのかを、詳しく検証していく。

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