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焦点:台湾が南シナ海の戦略拠点を増強、静観する中国の思惑

2014年 05月 26日 13:34 JST
 
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[台北/香港 26日 ロイター] - 台湾は南シナ海に浮かぶ南沙諸島(英語名:スプラトリー)の太平島(同イトゥアバ)で、1億ドル(約100億円)を投じて港の建設を進めている。同海域は領有権の主張を強める中国と東南アジア諸国が対立する場所だが、台湾の動きに中国から批判の声は上がっていない。

その理由について、軍事戦略担当者らは、中国は台湾を反乱地域とみなしており、もし台湾を中国に統一することになれば、太平島を手中に収めることになるからだと語る。

太平島には滑走路がすでにあり、領有権問題が存在する島々で、こうした最新型の施設がある島は他にない。また、太平島には淡水源もある。

ハワイに拠点を置くシンクタンク「東西センター」のデニー・ロイ氏は、「台湾政府は、領有権を争う当事者の中で、台湾だけが中国に妨害されないということを理解している」と指摘。「そのため、太平島の施設整備は、中国からの批判を恐れることなく自由に行うことができる。必要なら、中国は台湾の駐屯地を守るだろう」と続けた。

太平島での新たな施設整備は来年遅くにも完了する見込みで、台湾国防部(国防省)関係者らは、港の建設よって3000トン級のフリゲート艦や沿岸警備艇が入港できるようになると説明している。

<長い歴史>

中国本土は国共内戦を経て、1949年に共産党が事実上支配。国民党は拠点を台湾に移したが、今でも中国の正当な支配者だと主張している。

石油資源が豊富にあるとされる南シナ海では、ベトナムやフィリピン、マレーシア、ブルネイも領有権を争っている。   続く...

 
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5月26日、台湾は南シナ海に浮かぶ南沙諸島の太平島で、1億ドルを投じて港の建設を進めている。高雄港で昨年5月撮影(2014年 ロイター/Pichi Chuang)

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