2014年05月26日

勢い付く新興メディアのBuzzfeed,Quartz,BIがインド版を立ち上げ

 BusinessInsiderBI)」に続いて、「 Buzzfeed」と「Quartz」の米国新興メディアが間もなくインド版を立ち上げる。

 今日(26日)新政権が発足するインドでは、モディ新首相が打ち出す経済政策に期待が高まっている。その流れに合わせるかのように、ニュースメディアの台風の目となっている米国生まれの新興ニュースの3サイトがインドで旗揚げするのだ。

Buzzfeedはムンバイにオフィスを構えることを今年の3月に明らかにしていたが、52日にFacebookページを開設した。以下のようにモディ氏関連のニュースを多く流している。Buzzfeed Indiaの立ち上げは秒読みに入ったようだ。


*BuzzFeed IndiaのFavebookページ

IndiaBuzzfeedFacebook.png


 Quartz6月にインド版を立ち上げることを、Tumblr上で発表した。Atlantic Media20129月から発行しているQuartzは、トラフィックの4割以上が米国外からで、海外トラフィックで一番多い国がインドである。

*Tumblrで告知したQUARTZ Indiano創刊案内IndiaQuartz201406.png


 一足早くBusiness Insiderは、メディアコングロマリットのTimes of Indiaと組んで、 20139月にBI Indiaを立ち上げている。

Business Insider Indiaのトップページ

IndiaBusinessInsider.png


 すでにインドにも、バイラル/キューレーションメディアの波が打ち寄せている。インド版Buzzfeedと呼ばれているSCOOP WHOOPhttp://www.scoopwhoop.com/)などが迎え撃つ。同サイトを覗くと、13 Places You Should Visit In India Before You Visit Their Counterparts Abroad」との見出しの記事に出くわした。海外の絶景地に行かなくてもインド国内にも素晴らしい絶景地があるよ、とのBuzzfeed風の記事だが、この記事だけで約10日間で135000件がネット上でシェアされていた。

 米国の新興メディアがなぜ一早くインドに上陸するのか。MediaBriefingが示す次の四つの図を見れば、その背景が納得できる。まず英語をしゃべる人口が、世界で二番目に多い国であることだ。
*英語スピーカーの人口。世界で米国に次いでインドが2番目に多い
IndiaMedia1.png

 次はインターネット人口が爆発的に伸びていることである。次の二つの図は2012年までの推移だが、昨年あたりからは安価なスマホが出回り始めており、インターネット人口の伸びがさらに加速化している。

*インドにおけるインターネット人口の推移
IndiaMedia2.png


*インドのインターネット普及率
IndiaMedia3.png


 多くの低所得者層を抱えていたインドであるが、現在の5000万人しかいない中間所得者層の人口が10年後には58300万人に膨れ上がると予測されている。今後、インターネットを活用した消費者が爆発的に増えるということである。


*所得階層別の割合の推移
IndiaMedia4.png


 このように膨大な潜在市場が擁するインドのインターネット市場は、メディア産業も含めて期待が持てる。また新政権には、景気刺激策を講じてくれるとの期待も大きい。インターネットを含めたメディア事業で何かと制約の多い中国に比べ、インドのほうがやりやすそう。そう思っていたのだが・・・。先ほど米国のBuzzfeedサイトに次のような記事が上がていた。モディ新政権をメッセージで批判した学生グループがバンガローで逮捕されたらしいという記事である。ヒンズー至上主義者として知られているモディ氏側が動いたのかも。やはり、インドでビジネスを行う場合は、宗教の関することはタブーである。    

IndiaBuzzfeedModi20140526.png


◇参考
Hello, India(QUARTZ on Tumblr)


posted by 田中善一郎 at 14:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
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