切りつけ:小倉で歯科医師が重傷 射殺事件被害者の親族
毎日新聞 2014年05月26日 12時07分(最終更新 05月26日 13時28分)
26日午前8時半ごろ、北九州市小倉北区真鶴の駐車場付近を通りかかったタクシー運転手から「男性が脚を刺されて出血している」と110番があった。福岡県警小倉北署によると、刺されたのは同市若松区在住で、九州歯科大付属病院に勤務する歯科医師の男性(29)。脇腹や左脚など数カ所を刃物のようなもので刺され重傷だが、生命に別条はない。県警は暴力団関係者による犯行の可能性もあるとみて、殺人未遂事件として捜査している。
捜査関係者によると、男性は昨年12月に射殺された北九州市漁協組合長、上野忠義さん(当時70歳)の親族で、射殺事件との関連も調べる。
県警などによると、男性は乗用車を1人で運転して同病院近くの駐車場で降りたところを何者かに刺されたらしい。刺した人物はバイクで逃走した。2人組で紺色の作業着姿、フルフェースのヘルメットをかぶっていたとの情報もある。男性は通勤途中だったとみられる。
同病院の話では、男性は約2カ月前、「県警から注意を促された」と病院に報告していた。勤務上のトラブルはなかったという。
現場はJR小倉駅から南西に約3キロの戸建てや商店が建ち並ぶ一角。近くに福岡県立小倉西高校などがある。
北九州市では昨年12月20日朝、若松区畠田2の路上で上野さんが銃で撃たれて死亡。事件後、県警が指定暴力団工藤会(本部・北九州市)の関係先を殺人容疑などで家宅捜索している。上野さんの実兄(当時70歳)も1998年、工藤会系組長ら=殺人罪などで無期懲役が確定=に射殺され、公判で動機について「港湾事業の介入を被害者に断られたことへの報復だった」と認定された。