パソコン遠隔操作事件のオチの気持ち悪さ【連載:村上福之】
2014/05/26公開
PC遠隔操作事件によって日本中のネット業界を騒がせ続けた、ゆうちゃんこと片山祐輔被告が捕まってしまいました。この事件のオチの気持ち悪さを2点上げると、まぁ、こんな感じです。
・最後のメールだけいきなりスキルが超低レベルでローテク過ぎる
・日本の警察が最後までローテクだった
最後のメールだけいきなりスキルが超低レベルでローテク過ぎる
From Tex Texin
片山被告の逮捕によって落ち着いたPC遠隔操作事件だが、前後の顛末では多くの憶測を呼んだ
いや、捕まった理由が、「真犯人を装ったメールをスマホで時間指定送信して、河原でスマホを埋めているところを尾行されて捕まった」ということなんですけど、ローテクすぎて鼻血が出そうです。はい。
いや、アンタ、今まで、Torとか使って、遠隔操作でいろいろやってきたわけじゃないですか。今時、身元を隠してメールを送信する方法なんて、65536種類以上思い付くじゃないですか。その中で、一番面倒くさくてリスクが高い方法を選ぶのは、何か非常に気持ちが悪いです。
いや、本当に、スマホで既製品のアプリで送信って、どこまでロースキルなんですかアンタ、と思わざるを得ません。
しかも、矢野さとる氏によると、Yahoo! JAPANのSMTP経由で送っているそうじゃないですか。海外でもなく、なぜに日本のSMTPを選んだのだろう。迷惑メール対策にしても他に選択肢あるじゃないですか。
いや、本人が真犯人と言っているんだから、仕方ないんですけど、最後のメールだけローテクで何か気持ち悪いです。
今までのメールの送信方法からすると、一番「ナンダソレワ」と言わざるを得ないです。公衆回線って匿名MVNOのSIMを使っても、キャリアさんから、だいたいの位置情報は抜かれてしまうので、あんまり、賢い方法でもないじゃないですか。何だろう、ものすごく気持ち悪い。
その一方で、メールの内容は、そこそこスキルある人の内容なんですよね。メールの内容はスキルフルで、送信方法が今までで一番ローテク。このアンバランスさがものすごく気持ち悪いです。
日本の警察が最後までローテクだった
もう一つの理由が、尾行して捕まえたというのが、何か、ローテクで日本らしいですよね。日本中を騒がせまくったハイテク犯罪事件なのに、このオチでいいのかというくらいローテクなのが日本らしくて良いです。
映画の中で考えるハイテク犯罪とかハッカーと戦う場面って、もっとカッコイイじゃないですか。
PCとモニターがいっぱいある暗い部屋の中で、アタマが良さそうな人がみんなでカチャカチャやって、「くそ!やつめ、また侵入してきやがったか!」、「は!速い速すぎます!」、「よし!こちらも防御プログラムを作るんだ!(カチャチャカチャ!)」、「だめです!メインコンピュータにも侵入されました!」、「うわー!」その時、部屋中の全部のモニターが真っ赤にピカーって、光ったりなんかする…とか、まぁ、そんな感じじゃないですか。
何か、そんなハイテクな感じもなく、尾行で河原で、捕まえましたという、何だかローテク過ぎて笑ってしまうしかないですよね。
自分の人生で、ドラゴンボールの最終話の次くらい、あっけなくて笑うしかなかったです。