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FCソウルとのACLの決勝トーナメント1回戦では2戦合計スコア4-4となり、アウェーゴールの差で敗退した川崎フロンターレの風間八宏監督。
photograph by Yusuke Nishizono
フットボール“新語録”

「手よりもすごいことを足でやる」
風間フロンターレが追求するもの。

木崎伸也 = 文

text by Shinya Kizaki

photograph by Yusuke Nishizono

「サッカーは足でやるスポーツということで、多くの人が
技術の追求を諦めてしまっている。でも、そうじゃない。
私は『足だからこそ手よりもすごいことができる』と考えています」

風間八宏 (川崎フロンターレ監督)

 今、J1で最もおもしろいサッカーをやっているクラブはどこか? それぞれの興味や嗜好によって18通りの答えがあると思われるが、日本サッカー界の指導者が今最も注目しているのはおそらくこのチームだろう。

 大久保嘉人をザックジャパンに送り込んだ、川崎フロンターレだ。

 先日、等々力陸上競技場でこんなことがあった。岡田武史・前日本代表監督が「今見るのはどこがいいかとまわりに聞いたら、フロンターレと言われた」という理由で川崎の試合を観戦。かつての日本代表のチームメイトである風間八宏監督を表敬訪問した。W杯を2度経験した勝負師の鋭い嗅覚が、新しい何かを感じ取ったのだろう。

「手よりもすごいことを足でやる」

“ヤヒロ・フロンターレ”のスタイルを一言で表現するなら、「手よりもすごいことを足でやる」というパーフェクト・フットボールだ。

 各自の攻撃能力を極限まで高めることにこだわり、その融合と連動によって相手の守備組織をズタズタに切り裂く。昨季は開幕から6試合勝利がなく批判にさらされたが、大久保を1トップに起用してから軸が定まり、最終的には3位になってACL出場権を獲得した。大久保は得点王に輝いた。

 就任から約2年経ったが、風間理論は進化し続けている。最近、練習場ではこんな指示が飛んでいる。

「ボールの回転を完全に殺してボールを止めろ」

「バウンドしただけでサッカーが遅くなるぞ」

「相手から隠すように体の後ろにボールを止めれば、絶対に飛び込めない」

「味方の動きに敵がついてきたら、パッサーが相手の動きの逆を取る場所にパスを出せ」

 風間監督が自らお手本を示し、それを選手が目で見て発想を吸収し、技術の研鑽に取り組んでいる。

【次ページ】 バルサにできず、フロンターレにできること。

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