デジタル全盛のなかでも、メモの需要は減っていない。相変わらず「短いメモは手書きが速い」ということだろう。伝言メモやToDoリスト、チェックリストなど、用途を絞った専門的なメモ製品が増えている。

 「切り離して渡せる」というメモのメリットを生かした製品も登場。紙であることを意識した製品が多いため、使い勝手もデザインもユニークな商品がそろっているジャンルといえるだろう。

雨の中でも書ける! 「フィールドノート エクスペディション」

ハイタイド「フィールドノート エクスペディション 3パック」(1100円)。幅90×高さ140×奥行き4mm、48ページのメモ帳3冊がセットに
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 「フィールドノート」は米国のノートブランド。カジュアルにザックリ使えるハンディサイズのメモ帳(中とじ48ページ)をさまざまなテーマでデザインした製品を出している。

 なかでもオレンジの表紙が印象的な「フィールドノート エクスペディション」は、南極観測隊をモチーフにした、アウトドアで使えるメモ帳。表紙のオレンジは氷や雪の上でも認識しやすいためだという。裏は表紙とのコントラストがクッキリしたブラック。中紙はぬれても破れず、ぬれたままでも書けるユポ紙という特殊な紙が使われていて、雨の中でもメモがとれる。

 ヘビーデューティー仕様のメモ帳だが、薄くコンパクトで扱いやすいため、普段使いにも向いている。気がついたことはどんどん書き、そのまま保管するタイプのメモ帳だ。

 ユポ紙なので雨の中でも書けるが、書くには雨の中でも書ける筆記具も必要。ボールペンなら三菱鉛筆の「パワータンク」がおすすめだが、紙との相性がとても良いのは鉛筆だろう。雨の中でも書けるし、走り書きにも向いている。ユポ紙は選挙の投票用紙に使われている紙なので、鉛筆で書いたことがある人は多いと思う。あの“ツルッ”とした感じの紙だ。

 どんな状況でも書ける紙と筆記具を持ち歩いているというのは、防災の面からみても安心。スマートフォンが使えない状況でも、メモをとったり内容を確認したりできるわけだ。持っていて邪魔になるものではないし、オレンジ一色に見える表紙が実は南極大陸の地形図が印刷されているといった、シンプルだけど凝った意匠も楽しいので、とりあえずカバンに入れておきたいメモ帳なのだ。

ハンディサイズのメモ帳。落としても目立つ表紙で悪天候でも安心して使える
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中紙は水にぬれても破れないユポ紙を使用。ドット罫線が印刷されている
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書いてみた。上からジェットストリーム(油性ボールペン)、鉛筆、水性顔料インク、ゲルインク。ゲルインクは乾くまで少し流れる。鉛筆での筆記に最も向いているように感じた
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