24日に打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち2号」は、初代の「だいち」と比べて地上の識別能力などが大幅に向上しており、物資輸送の迅速化などで大規模災害時の早期救援につながると期待されている。
初代だいちは、東日本大震災で津波の浸水域や沿岸部の沈降などを観測。だが大震災の2カ月後に電力異常で運用停止し、後継機が待たれていた。
だいち2号は初代が搭載した光学カメラはなく、昼夜や天候を問わず観測できるレーダーに特化。新型レーダーの開発により、地上で識別できる大きさは初代の10メートルから1〜3メートルに向上した。観測範囲は幅2320キロと約3倍に拡大し、広域の観測も可能になる。
山口大の三浦房紀教授(防災工学)は「道路や建物の崩壊まで分かるようになり、大震災で不足が深刻化した燃料や食料などの救援物資を輸送するルートの検討に役立つ。災害直後の状況把握を一変させる『命をつなぐ衛星』になる」と期待する。
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