経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *小論、基本内容もご覧ください

5/25の日経

2014年05月25日 | 経済
 ちょっと前の本だが、文庫で出たので『偶然の科学』(ダンカン・ワッツ)を読んだよ。因果推定や将来予測が「常識」に阻まれ、いかに困難かという内容だね。「誰も信じてはいけない、特に自分は」は至言だね。自己の分析の枠組を意識しつつ、最新の情報で枠組を改善せねばと、改めて感じた次第だ。さて、データはどうなっているのか。

 7週目の「消費税率引上げ後の消費動向等について」は、飲食料品の前年比が-4.3%と前週の-4.8%から若干ながら縮まった。他方、家電は-20.7%へと逆戻りである。家電の減少は大きいものの、まだ駆け込みの「貯金」が残っているが、飲食料品は「貯金」を使い果たしてもなお、戻りが弱い。消費増税の所得減の影響が出始めているのではないか。

 4月のチェーンストア販売も公表されたが、店舗調整後の前年比は-4.4%である。3月は+9.4%だったから、全体として貯金」があるが、食料品はほぼ「貯金」を吐き出し、衣料品は「残高」が寂しくなって、住関品の「貯金」ばかりとなっている。おそらく、「貯金」を失った現場から順に悲鳴が上がって来るだろう。1か月半が経ち、新車の受注残も減り、駆け込みで減った在庫復元も終わりつつあるようだ。荷動きが鈍るのはこれからになる。

 今週の金曜には、家計調査を始め各種の経済指標が公表されるが、注目点は雇用と所得の状況だ。反動減で消費が落ちるのは分かり切っているので、消費の基調の判断には、これらを見ることになる。増税後の物価上昇を差し引いた実質値がどの程度になるかである。また、「想定外」に伸びた設備投資も反動減がないかを確認する必要がある。

(今日の日経)
 夏のボーナス5.9%増・上場有力企業。最高益への挑戦・損益分岐点は高度成長期並み。謎かがく・摩擦力。読書・チャイナズ・スーパーバンク(中国開銀)。

(昨日の日経)
 日銀総裁インタビュー・増税の影響は想定内。所得控除を夫婦一体で。5月新車販売ブレーキ、減少幅広がる。大機・日本PMI速報値公表。NQN・消費増税、4月売上高でみる影響度。
ジャンル:
経済
キーワード
高度成長期 損益分岐点 夏のボーナス
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック
« 5/22の日経 | トップ | 5/26の日経 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。