＜准看護師不明＞遺体を宅配便で運ぶ？　「人形」を配送

　大阪市西成区の准看護師、岡田里香さん（２９）が行方不明になった事件で、大阪府警は２５日、東京都八王子市内のトランクルームで見つかった遺体の身元を岡田さんと確認したと発表した。捜査関係者によると、元同級生の日系ブラジル人の女（２９）とともに中国・上海に出国した中国人の女はトランクルーム近くに居住、元同級生が同居していたという情報もあるという。

　また、岡田さんが失踪した後、岡田さん宅から宅配便で大きな荷物が配送されていた。送付状の品名欄には「人形」と書かれていた。遺体が宅配便で運ばれた可能性もあるという。府警は同日、捜査本部を設置、岡田さんの殺害・死体遺棄の疑いで捜査している。

　捜査関係者によると、岡田さんの遺体は今月２１日に八王子市下柚木のトランクルームで見つかった。２０代の中国人の女は昨年まで現場から数百メートル先の大学院に留学していたとされる。また、数百メートル離れた自宅マンションには元同級生の女が同居していたという情報があるという。

　中国人の元大学院生は以前に大阪で暮らしたことがあり、その時にアルバイト先で元同級生の女と知り合ったらしい。

　２人は今月３日、羽田空港から上海に出国したとみられる。元同級生は不正取得された岡田さんのパスポートを使い、今月下旬に羽田空港に帰国する航空便の予約をしていた。元大学院生が日本に戻る予定があるかどうかは確認できていない。

　元大学院生の自宅マンションの住人男性は「今年に入って元大学院生を何度か見たが、４月以降は会っていない」と話している。

　府警によると、岡田さんの遺体は腐敗が進んでおり、ＤＮＡ型の鑑定で身元を確認した。トランクルームは岡田さんの名義で４月末から約１カ月間の使用契約が結ばれており、この間に遺体が遺棄されたとみている。司法解剖で死因は特定できなかったが、上半身に数十カ所の刺し傷や切り傷があり、府警は岡田さんが殺害された後、トランクルームに遺棄されたとみている。

　岡田さんと小中学校の同級生だった女性（２９）は「見つかった遺体は岡田さんではないとずっと信じてきたので言葉が出ない。絶対に許せない。警察は犯人を早く捕まえてほしい」と落胆した様子で語った。

　一方、元同級生の女の父親は２５日、「事件が発覚してから妻が何度も娘の携帯電話に連絡をしているが、応答がない。本当のことが知りたい」と複雑な表情で話した。