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「美味しんぼ」“鼻血は被曝”を検証 構内見学した記者に異常なく…放射線の影響「量で判断が必要」
漫画では、登場人物が第1原発構内の見学後に鼻血を出し、疲れやすくなったとする描写がある。記者も今年2月、同様の見学をしたが、同行者で鼻血を出した人はいなかった。記者自身、疲れやすくなったということもない。見学では構内に入る前に個人線量計をつけ、構内でどれだけの線量を浴びたかを調べる。記者の場合は0・01ミリシーベルトで、航空機旅行「東京-ニューヨーク」(片道)の10分の1の線量だ。
もちろん、事故後に福島県内で鼻血が出た人はいただろう。鼻血は高血圧や動脈硬化など循環器系の病気や腎臓・肝臓病などでも出やすくなる。ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している人や女性では生理中に出やすい。また、知らないうちに鼻をぶつけたり、風邪などで鼻に炎症ができても鼻血は出る。
影響小さい低線量
漫画ではまた、低線量被曝の健康影響を心配し、前双葉町長の「今の福島に住んではいけない」との言葉を紹介している。福島に住んでいる人や福島への旅行を計画している人の中には不安に思った人がいるかもしれない。
ただ、100ミリシーベルト以下の低線量被曝の健康への影響については100年近くも研究されており、極めて小さいことが分かっている。現在、福島県で暮らす人々が原発事故によって余分に受ける放射線量は年間1ミリシーベルト程度で、健康への影響が心配される数値ではない。
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