2005年に兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線脱線事故の遺族らが、事故の加害企業の刑事責任を問う「組織罰」について考える勉強会の第2回会合が24日、大阪府高槻市の関西大学で開かれた。1991年に起きた信楽高原鉄道事故の刑事裁判の裁判長などを務めた安原浩弁護士が講師となり、組織罰のあり方について学んだ。
安原氏は「悲惨な事故が発生しやすい列車事故や船舶事故などで、組織の末端の人の責任しか問えないのでは被害者、社会の納得は得られない」と指摘。個人しか罰することができない日本の刑法を見直し、個人とは切り離して法人を処罰する組織罰の導入を提唱し、懲罰の例として高額の罰金刑や再発防止策の策定・実施報告を義務づけることなどを挙げた。
また、遺族の大森重美さん(65)が今年3月、重大な事故などを起こした組織を罰する「法人故殺法」を導入している英国を訪れ、現地の弁護士や大学教授に聞き取りした結果を報告。「法制化の過程で、組織の責任や安全についての意識向上につながったとの話などがあった」と説明した。
勉強会には昨年、京都府福知山市の花火大会で起きた露店爆発事故の被害者家族らも今回から加わった。次回は7月に開催予定。
JR福知山線脱線事故、事故、組織罰、信楽高原鉄道