最近、「40歳定年」という考え方をよく耳にする。その意味は概ね、40歳で自分のキャリアを棚卸して新しいことに挑戦し、健康である限り、生涯現役でいられるような職業人生を送ることである。得意分野を持つサラリーマンがそれを活かして、コンサルタントなどとして独立することや、ポストもなく停滞気味の大企業から事業拡大を狙う元気な新興企業に転職することなどがイメージできる。
筆者は「40歳定年」を実行した人間である。今からちょうど10年前の2004年、その言葉が世間にまだない頃、約13年間勤めた朝日新聞社(経済部記者)を40歳で退社、どこの会社にも属さないフリーのジャーナリストに転じた。
月給とボーナスが確実にいただける身分の安定したサラリーマン記者を捨てて以来、著述業という自営業で何とか生計をたてている。記者は特殊な職業なのかもしれないが、40歳で大企業を辞めて食っていくには何が必要かを、自分の経験を踏まえて考えてみたい。独断と偏見がかなり入ることをお許しいただきたい。
40歳で会社を辞めて食っていく3つの心構え
最初に40歳で会社を辞めても食っていくための基本的な考え方(心構え)について述べる。自分で何かやれるノウハウやスキルを持って独立することを前提としてお話ししていく。正直に申し上げて、最初からこんなことが分かっていたわけではない。過去10年間を振り返っての後付的解釈である。しかし、これから「40歳定年」を実行される方に少しでも参考になればと思う。
まず、独立して食っていくためには、(ⅰ)自己中心的(自分勝手)であること(ⅱ)興味の対象は広くもっておくこと(ⅲ)不快なことがあってもくよくよと考えないこと(不快なことはすぐに忘れること)が不可欠であると思う。
- 「40歳定年」して食っていく、3つの心構えと5つのノウハウ。そして筆者はなぜ40歳で朝日新聞を辞めたのか (2014.05.25)
- 営業利益過去最高更新も、トヨタの構造改革はまだ道半ば (2014.05.11)
- 袋だたきの「魔女裁判」では救いがない!STAP細胞が存在するのか、小保方氏を再現実験に参加させよ (2014.04.10)
- 小保方晴子氏を「犠牲者」にした独立行政法人・理研の組織的欠陥 (2014.04.05)
- 消費増税よりも保有減が痛い!? 自動車ディーラーの優勝劣敗を左右する「2014年問題」への対応 (2014.03.30)
-
井上久男「ニュースの深層」 「40歳定年」して食っていく、3つの心構えと5つのノウハウ。そして筆者はなぜ40歳で朝日新聞を辞めたのか (2014.05.25)
-
わき道をゆく~魚住昭の誌上デモ第八十一回 陰謀論という妖怪 (2014.05.25)
-
ドクターZは知っている内閣人事局を巡る大手マスコミの「ポチ」ぶり (2014.05.25)