「韓日の平和は略奪文化財の返還から始まる」

【新刊】荒井信一著、イ・テジン、キム・ウンジュ訳『略奪文化財は誰のものか』(太学社)

 「韓国の国民は上も下も怠惰が常習となり、国力はますます衰退した」。これは、1904年の『韓国建築調査報告』出版に参加した日本の考古学者、西川宏の言葉だ。韓国人と韓国史を一方的に見下す視点を有するこの調査は、その後、文化財の大量略奪という状況につながっていく。

 建築史家の関野貞(ただし)が書いた韓国建築・遺跡の調査報告は、日本人の間に「朝鮮遺物収集ブーム」を起こした。実業家の小倉武之助は、朝鮮各地で遺物をかき集めて日本に持ち出し、死後に東京国立博物館へ寄贈されたものだけでも約1000点に達した。2011年の『朝鮮王室儀軌』返還で大きな役割を果たした著者は、略奪文化財の返還こそが植民主義克服と持続的な平和確立の出発点だと力説している。1万5000ウォン(約1500円)。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
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