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 安倍晋三首相夫人の昭恵さんが24日、東日本大震災の被災地で計画されている大規模な防潮堤をめぐり、意見交換するフォーラムを仙台市内で開いた。「本当にどこでどの程度の高さが必要か、もう一度みなさんと一緒に考えたい」と述べ、各地で進む計画への再考を呼びかけた。

 住民や専門家、地方議員ら約400人を前に「海が見えなくなって、環境も破壊されてしまうかもしれない」と指摘。「若い人が『こんな海が見えない所は嫌だ』と出て行って、防潮堤だけが残ることがないようにしたい」と訴えた。

 安倍首相もビデオでメッセージを寄せ、「想定される津波の高さとともに、環境の保全や景観との調和などを考える必要がある」として、住民主体の見直しに柔軟な考えを示した。

 昭恵さんは、防潮堤の計画を考える住民の運動に関わり、昨年12月には自民党の環境部会に出席し、計画を再考するよう求めている。(笹川翔平)