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Chapter26-1 ネル シーナ クレハ ダンジョン探索

『原作』スターオーシャン3、シャイニング・ウィンド
『人物』ネル・ゼルファー、シーナ、クレハ


 ダンジョンのなか、ひとつの戦闘が開始される。
 先陣を切って刀を振るうのは赤い髪と黒衣の女。鋭い視線でもって歩く姿は女らしさはなく一人の戦士。黒い衣を身に纏ったその女はネル・ゼルファーと後ろに続く者たちに名乗った。
 ネルの背後に続く女たちはまだ幼さが残る赤と黄の美少女。まだ学校へと通うのが当たり前の年頃のような二人だった。
 赤は抱きしめれば細すぎて折れてしまいそうなほどの体格をしたシーナ、黄は三人の女性のなかで最も豊満な胸をしたクレハである。三人とも服を着ているがどの衣装も下着が見えそうなほどスカートが短い。
 二人は同一世界からの知り合いらしく連携を取ってネルの援護をする。シーナは突撃剣による素早い突きをクレハは弓矢による牽制と狙撃。三人とも腕に憶えがありステータス表記以上の力を引き出している。
 ダンジョンへやってきた理由は例のチケットによるもの。受付嬢とのやり取りだった。シーナとクレハは二人同時に受け、ネルはそこに合流を果たした。
 探索開始のダンジョンに出現するモンスターは彼女らの敵ではない。三人とも元の世界で獲得した経験値を0にしてのスタートとなっていたがやはり経験がカバーして突き進んでいる。
 戦闘が終わる。
「あんたたち、なかなかやるわね」
「ネルさんこそ。頼りがいのあるお姉さまって感じですよ。ね、クレハさん」
「そうね」
「お姉さま、か……」
 ネルは神妙な面持ちで呟く。三人はそれほど会話を弾ませることはなかったがどんどんと奥へと進んでいく。もちろん先陣を切って進んだのはネルだった。彼女は少し、早すぎるくらいの速度で奥へと向かっていく。
 シーナとクレハは彼女に従ってついていく。恐れはない。なぜなら彼女たちにはある特別なシステムをダンジョン探索の開始時に得ていたからである。まだ一度も使っていないためその特殊システムはすぐ傍で彼女たちについていくだけであった。
 ダンジョン探索を開始して数時間、そろそろ出現する敵モンスターが生半可な攻撃では倒せなくなってきた頃のこと。
 回復アイテムで間に合わなくなってきた。
 彼女たち三人のステータスは程よく育ってきていたが元の世界と同様に戦闘をするにはいくつかの不備がある。
 まず戦闘に対してスキルの使用が限られているということ。
 ネル・ゼルファーがその身に刻んだ施術が使用できなくなっているのと同じようにシーナとクレハもスキルの大半を削られている。このダンジョンでは制限が多くなっているらしい。
 戦闘能力の大半を削られた物理攻撃と少々のスキルで応戦してきたがさすがに苦しくなってくるとようやく特殊システムに手を伸ばす。
 戦闘の最中、彼女ら三人の奥から一人の男が現れる。歳は三十半ば頃、脂の乗った腹をした男。分厚いめがねをかけており鼻息も荒い。どう贔屓目に見ても良い人間には見えない。
 敵モンスターへ向かっていく男はまさに戦神のごとく暴れまわる。ネルたちが舌を巻くような固い防御力も彼の前では役に立っていなかった。攻撃も食らう事は無く無敵であった。
「すっごいわね。あの人」
「人なのかしら?」
「人なんじゃないの、だって一応人間の形してるし」
 話し掛けたこともあるがまともな会話はできなかった。システム的な会話しか成立しなかったため未だに彼がわからない。ただ、戦闘中に彼を呼び出しさえすれば瞬く間にモンスターは撃滅する事ができる。
 そんな彼こそが特殊システムである。ダンジョン探索の開始時に得られたシステムでお助け役と言われた。男に名前は無い。紹介されたときはキモオタ一号とでも呼んで下さいと言われたほどだ。ネルは言葉の意味がわかっていなかったがシーナとクレハはその呼称になんとなく肯いた。
 なぜなら彼の外見はよくあるオタクの印象そのものだったから。
「ネルさん、そろそろ慎重に行かないと危なくないかな」
 モンスターの能力が高くなってきている。そんなことはネルにだって解っていたが彼女は首を縦には振らなかった。
「大丈夫だよ。説明を受けたろ、ここで死んでも所詮ゲームだって。それにそいつがいるじゃないか」
「でも……彼の使用には……」
 特殊システムとして存在するキモオタ一号は特に使用制限は無い。その代わりに五回の使用につき一度、彼の性欲処理を行なう必要がある。まだ一度もしていないがつまりは大きな腹の下にある物に触れることとなる。
「なんだったらあたしが処理してやる。行くよ」
 ネルは一人先を急いでいく。彼女が先陣を切っている限りついていくしかない。二人は顔を見合わせてキモオタ一号を見た。二人とも心に決めている男がいる。どちらも美のつく男だ。キモオタ一号とは比べ物にならない……はずだった。
 先を急ぐネルには次々にモンスターが襲い掛かってくる。装備も間に合わず結局、どの戦闘もキモオタ一号の力に頼っていくしかない。彼の使用回数が四回目を迎えることになった。
「あと一回か……」
「だから気にすることないって言ってるだろ。二人みたいな年頃のお嬢ちゃんにはそういうことをさせないさ」
 年上の余裕からなのかネルは言って笑う。そしてまた前に進みだすとモンスターの出現ではない危機が訪れる。
「きゃっ!?」
 可愛い悲鳴だった。シーナが突然よろめいて声を上げる。彼女の足元が崩れ去っていた。落とし穴トラップだった。
「チッ!」
 ネルが咄嗟の判断でシーナを庇う。シーナの手を引っ張り上げ変わりに自分が落ちていく事になろうとも。
「ネルさん!」
 声をかけるも遅かった。彼女の姿は落とし穴へと消えて行く。パーティメンバーの表示からも消えた。
 落とし穴の効果はパーティメンバーから一人を下の階へと落すというもの。下の階へと向かえばすぐに合流できるがその場合、階ボスと呼ばれるその階のボスを倒す必要がある。
「どうしよう、あたし達二人だけでいけるかな」
「無理かも……それよりも引き返す事だってできないかもしれない」
 雑魚戦ですら三人いて無理だったのだ。引き返すことも出来ない。
「それにキモオタ一号さんも次使ったら」
「ええ、でも私はちょっと気になってるかな。ネルさんには悪いけど興味はあるんだ」
「奇遇ね、シーナさん。わたしも彼のあそこにはちょっと興味をそそられてるの。だって……さっきからもう勃起してるのがまる解りなんだから……」
 ネルがいなくなった事によって本当の二人が目を醒ます。キモオタ一号はあと一度の使用で性欲処理を必要とする。股間で脹らんでいるそのイチモツを興味津々で見つめる二匹の雌はさぁ来いとばかりにネルとの合流を放ってモンスターを呼び寄せる。
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Author:之ち
之ち(ユキチ)

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大阪在住・12/28生
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