日本のメディアは"先輩を見て学べ"という世界
佐々木: 日本のメディアでは人材の流動性が低いですが、メディア企業が持っているのはブランド力と、もう一つは育成機能ですよね。しかし、ブランド力が衰えてきて、経営に余裕がなくなり育成機能も衰えてきている。ある程度育った人からすると、会社にいるメリットというのが昔より相当下がってきたと思います。
瀬尾: メディアに本当にジャーナリストを育てる機能があるかというと、実際、それはないんじゃないですか。どっちかというと日本のメディアって、アメリカのメディアはそれこそジャーナリズムスクールがあったりとか、体系的なジャーナリズムを教える仕組みがある。ほとんどのメディアって、僕もそうだったんですけど、OJTを称する現場主義なんですよね。
松浦: 徒弟制度ですね。
瀬尾: そうそう。先輩を見て学べ、みたいな世界です。その中で裏取りってこういうもんだというのを教えてもらう。だけど体系的に取材とはこうあるもんだとか、あるいは、人権ってこうだとか、報道ってなぜあるのかみたいな、そういう教育ってほとんどないんですよ。ここは空白です。その中でOJT的な細かいノウハウだけ教えている、そういう感じなんです。
松浦: 私はウェブメディアだけで育った人間なので、驚いたことがあります。書くことにスキルが特化した人にいろいろとお目にかかったんですが、これが全然スキルそのものに連続性がない。学んできたものがOJTばかりなんです。いろんなOJTですばらしいスキルもそろってるんですけど、共通パーツが少ない。
僕は技術者出身なので、OJTとはいいながら、そうはいったってこういうコードの書き方はあるんだよというのを、ある程度やる。ソースの書き方が違っているとメンテナンスができないですからね、システムでは。
それで記者さん、ライターさん、みんないい方なんだけど、ここのところの共通性の部分がないなあと感じています。そこはいま一度、ジャーナリズムの研修的な部分というのはあったほうがいいんだろうなというのは、本当のことをいうとあります。
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