釆沢嘉高
2014年5月5日12時31分
競馬ファンなら誰もが夢見る「必勝法」。競馬界には今、膨大なデータ分析とプログラミング技術を駆使して賭け金以上の大金を手にする、「神」と呼ばれる馬券師たちがいる。9日には国税局から競馬の巨額収益による脱税容疑で告発された男性被告に控訴審判決が言い渡される。彼らの実態に、記者が迫った。
■去年は黒字300万円
5月の大型連休中、神奈川県内の場外馬券発売所に、記者の取材に応じた男性馬券師(28)が現れた。白い長袖シャツにリュック姿で、理系の大学院生という雰囲気だ。周囲の客が競馬新聞に目を走らせるなかで、ノートパソコンを使って競走馬の実績やオッズをチェックし続けた。
数年前に不動産会社を退職し、いまは株式などの個人投資が本業。競馬は「金もうけの道具」という。週末になると大金を持って馬券売り場に行き、予想に基づいて1レースで多いときには10万円分を買う。「1日で100万円をすってしまう日もあります。でも昨年は3千万円賭けて200万~300万円の『黒字』だったかなぁ」
男性にはインターネット上の交流サイトで知り合ったサラリーマンや自営業者ら十数人の「客」がいる。馬券売り場に来る客には予想を直接教える見返りに利益の一部を「成功報酬」として受け取り、離れた場所の客には年間数十万円で予想をメールする。「4億円預けるから運用して」と頼まれたこともあるが、「普通じゃない」と断った。
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