携帯電話向けゲーム大手のグリーが、バッグなど中古ブランド品の買い取りビジネスに乗り出した。「探検ドリランド」のヒットで一時は破竹の勢いだったが、ガラケーからスマホへの流れに乗り遅れ、業績は低迷。売上高の9割以上を占めるゲームに代わる事業の柱を模索している。

 グリーは今月8日、ブランド品の中古バッグ買い取りビジネス「ウットク」を始めた。グリーによれば、30歳代の女性は平均6・3個のバッグや財布を持つが、そのうち3・8個は使われていない。お金に換える価値があると彼女たちに気づかせ、人目を気にせずネットで処分できる利点をうたう。サービス名は「売って得する」に由来する。

 グリーは商品集めに徹し、査定や転売は提携先の中古品売買大手のコメ兵が担う。ヤフーが、中古本販売のブックオフコーポレーションと資本・業務提携したのを引き合いに、田中良和社長は「ネットでリユース(再利用)事業は成長が見込める」と語る。

 これまでグリーは大量のCMを流し、「無料でゲームができる」とのふれこみで、登録会員数(3500万人以上)を増やしてきた。創業7年半の2012年6月期決算の売上高は1582億円を記録した。

 だが、無料で誘導しながらアイテム購入に課金し、「後で高額請求された」と消費者センターに相談が殺到。消費者庁は課金システムの「コンプガチャ」が射幸心をあおるとして規制に乗り出し、グリーは廃止に追い込まれた。同社のソーシャルメディアを悪用した児童への性的被害も続き、相次ぎ逆風に見舞われた。